【ファミマ澤田】ネットに勝てるのは「人」と「地域異常密着」だ

2019/8/13
小売企業にとって、店舗は場所にしばられる足かせなのか。それとも、お客さんとの接点を作る貴重なリアル世界なのか。
EC(ネット通販)が生活に浸透し、「お店vsネット」の競争が本格化する中、リアル店舗側もトライ&エラーを続けている。
コンビニ国内大手3社の一角を占めるファミリーマートは、国内で1万6000店舗以上、そして台湾やタイなどASEANも含め、世界で2万店以上のコンビニを運営する。
コンビニの既存プレーヤーとして、これからテクノロジーとどう向き合っていくのだろうか。NewsPicks編集部は、ファミリーマートの澤田貴司社長に直撃した。
澤田社長は、新卒で伊藤忠商事に入り、その後ファーストリテイリングで副社長も歴任。そして、自ら企業支援会社を立ち上げ、2016年9月からファミリーマートで社長を務めている。
プロ経営者・澤田社長はどんな「リテールの未来」を描いているのか。その答えは「人」にあった。
澤田貴司(さわだ・たかし)ファミリーマート社長。1957年石川県出身。1981年上智大学理工学部卒業後、同年伊藤忠商事に入社。1997年、ファーストリテイリングに入社。翌年、取締役副社長就任。同社のフリースの爆発的なヒットにつながる事業戦略立案等に従事。2005年10月、企業支援会社であるリヴァンプを設立し、同社代表取締役社長兼CEOに。2016年3月、ユニー・ファミリーマートホールディングス顧問。2016年5月、取締役・専務執行役員社長付。2016年9月、ファミリーマート代表取締役社長(写真:竹井 俊晴)

テクノロジーは「使い倒すもの」

──ファミリーマートは、EC(ネット通販)やテクノロジーとどう向き合っていくのでしょうか。
澤田 僕はまず前提として、テクノロジーは「使い倒すもの」だと考えています。