【楠木×早崎】「安定した職」を得られる個人は何が違うのか

2019/8/10
終身雇用の崩壊、大転職時代の到来を控え、これまでの「就社」意識からの転換が求められている。
個々人がそれぞれ自分の能力を発揮できる「職」を見つけていくことが問われるが、大学という組織に属しながら個々人で研究テーマを見つけていく学者は、まさに個人で適職を発見し、個人で勝負していくというキャリアを以前から実践している職業と言えるだろう。
そんな「個の時代の働き方」を先取りする学者の世界では、組織に属しながらバイネーム(個人名)で勝ち上がっていくために、どんな思考法や資質が必要になっているのか。
連星ブラックホールからの重力波放射の検出法を発見した宇宙物理学者の早崎公威氏と、『ストーリーとしての競争戦略』の著者として有名な経営学者、楠木建氏が、自身のキャリアストーリーから閉塞を打破するメソッドを語り合う──。

学者を志す理由

──始めに、お二人が学問の道を志した理由を教えてください。