[東京 5日 ロイター] - 菅義偉官房長官は5日の定例会見で、ドル/円が一時105円台をつけるなど、この日の市場で円高・株安が進行していることについて、景気の回復基調は変わっておらず、市場動向を注視していく、との考えを示した。

菅官房長官は足元の経済動向について「中国経済の減速の影響がみられるが、雇用・所得環境や高水準の企業収益など、内需を支えるファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)はこれまで同様しっかりしており、緩やかに回復している基調は変わっていない」と指摘。

「引き続き市場動向を注視し、経済運営に全力を尽くす」と語った。

日本政府が2日閣議決定した、輸出管理の優遇対象国(ホワイト国)から韓国を除外した政令改正を受けて韓国の文在寅大統領が「盗人猛々しい」と発言したとの報道に関し、「先般の閣議決定は、安全保障の観点からわが国の輸出管理制度を適切に実施するうえで必要な運用の見直しであり、韓国側の日本についての過剰な主張はまったくあたらない」とした。

ホワイト国除外が日本国内の世論調査で高い支持を得ている点に関してはコメントを控えた。韓国の取り扱いが他の多数のアジア諸国と同様になるだけで「グローバルサプライチェーンへの影響は全くない」と強調した。

北朝鮮の飛翔体発射に対する対応に関連し、「弾道ミサイルの発射が安保理決議違反であるのは明確であり、米国をはじめ国連に対し、安保理決議を完全に履行する(ことを求める)ことについては一致をしている」とコメント。米国が北朝鮮の短距離ミサイル発射を容認しているとの観測を否定した。

9月にロシア・ウラジオストクで開催される東方経済フォーラムに関し、諸般の事情が許せば安倍晋三首相の出席を調整したいと述べ、日ロ首脳会談への意欲を強調した。

*内容を追加しました。

(竹本能文 編集:内田慎一)