東京五輪へ血液検査拡大、厚労省 国際基準でドーピング摘発
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ドーピングで最も多く用いられているのは、男性ホルモンであるアンドロゲンです。
アンドロゲンは、筋肉量と筋肉強度を増加し、運動能力を向上することが数多くの研究で証明されています。一方、可能性のある副作用として、心筋肥大を悪化させる可能性や、将来の心筋梗塞につながる脂質異常症を生じる可能性、精神神経症状などが知られています。
アンドロゲンの他にも、β刺激薬やトラマドールといった薬剤など、世界アンチドーピング協会(WADA)は100以上の薬物をリストアップして禁止をしています。この数は年々増加しているそうです。また、薬物を用いず例えば輸血を行なって赤血球を増やし、酸素の運搬能力をよくするなどという方法まで知られています。
アスリートの中には、ドーピング薬物の検出を隠す方法を学んでいる方もおり、利尿剤やデスモプレシンと呼ばれるような薬剤を投与することで薬物の血中濃度を薄め、ドーピング検査による検出を免れるなどということも行われています。
ちなみに、ここで紹介したデスモプレシンも現在はドーピング薬剤のリストに追加をされています。
ドーピング検査は年々精度が増し、ごく微量の薬物も検出できるようになりました。しかし、こうなってくると、今度は知らずに食べたもの、飲んだものに含まれてしまっていた成分まで検出されてしまうなどといった問題も生じるようになってきてしまいました。また、その微量の薬剤が運動能力の向上に繋がるかといえば、答えはNoです。
このような背景から、検査の閾値を増やすべきではないかという議論も現在行われているそうです。
ドーピング検査の混沌とした様子を少しお伝えできればと思い、コメントしました。