[東京 1日 ロイター] -

午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の109円前半。米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)の利下げ決定を経た東京市場で、ドルは一時109.32円と2カ月ぶりの高値をつけた。ドルがほぼ全面高となるなか、英ポンドは2年半ぶり、ユーロは2年3カ月ぶり安値をつけた。

朝方の取引では、ショートカバーが先行し109円を上抜けたあと、損失確定の買い戻し(ストップ)を巻き込んで上昇が勢いづいた。CTA(商品投資顧問)の買いが特に目立ったとの指摘が複数聞かれた。

米連邦準備理事会(FRB)は30─31日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25bp引き下げ2.00─2.25%とすることを決定し、10年ぶりの利下げに踏み切った。世界経済を巡る懸念のほか、国内インフレの低迷を理由として挙げたが、利下げサイクルの開始は示唆しなかった。パウエル議長は会見で、利下げは「サイクルの半ばにおける調整」と説明した。

英ポンド<GBP=>は1.2133ドル付近。一時1.2101ドル付近まで下落し、2017年1月以来2年半ぶりの安値をつけた。

1.2100ドル割れが目前に迫る中、次のサポートラインはブレグジットを巡る国民投票後の戻り高値となる1.1985ドルと見られている。

「ポンドが1.2ドルを割り込むまでには、まだ時間的な余裕があると思われるが、1.2ドルをどういう形で割り込んでいくのか。じわじわ行くのか、一気に下回るのかによって、その後の展開が変わってくる」(FX会社)との見方が出ていた。

欧州時間にはイングランド銀行(BOE、英中央銀行)の政策金利発表が予定されるが、金融政策は据え置きとの見方が多い。

「ジョンソン氏の首相就任から英ポンドは下げ続けているが、金融政策面よりブレグジットを含む政治面での展開が心配の種」(国内金融機関)との声が上がっていた。

ユーロ/ドル<EUR=>は1.1034ドルまで下落し、2017年5月以来の安値を更新した。「1.11ドルが強固なサポートと見られていたが、その水準を前日下抜けたことで、売りが売りを呼んだ」(国内金融機関)という。

きょうは、米供給管理委員会(ISM)の7月製造業景気指数の発表が予定されている。6月の製造業景気指数は51.7と、2016年10月以来2年半ぶりの低水準を記録している。

7月の景気指数も下振れが懸念されている。

米中貿易摩擦や輸入関税によって生じたサプライチェーンの混乱や在庫の積み上がりが引き続き同指数の圧迫要因になるとみられる。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 109.17/19 1.1050/54 120.65/69

午前9時現在 108.81/83 1.1070/74 120.46/50

NY午後5時 108.74/77 1.1074/77 120.45/49

(為替マーケットチーム)