【衝撃】新大統領のポリシーで「暴走」するアマゾン森林破壊

2019/8/2

ボルソナロ政権誕生で状況が一変

ブラジルでは、今年1月に極右でポピュリストの大統領が誕生して以来、アマゾン川流域の熱帯雨林の破壊が急速に進んでいる。新政権は、違法な伐採や農作物の栽培、鉱物の採掘を減らすための取り組みを、軒並み縮小している。
過去20年の大部分において、アマゾン熱帯雨林の保護はブラジルの環境政策の要だった。ブラジルの取り組みは森林破壊率を押し下げることに成功しており、気候変動対策の好例として世界的に注目されていた。
しかし、ジャイル・ボルソナロ新大統領の登場で、ブラジルは大きく方針を変えている。ボルソナロ大統領は、プライベートで環境規制に違反して罰金を科せられたこともある人物だ。
ボルソナロは昨年の大統領選中に、アマゾンを中心とする国内の広大な自然保護区が経済成長の障害になっていると主張。商業目的の開発を進めると宣言した。
大統領就任から7カ月がたち、公約は着々と実行されている。
森林破壊を調査している政府機関によると、ブラジルに属するアマゾン熱帯雨林の面積は1月以降、3500平方キロ以上失われている。これは昨年同期比で39%増となる。
気温の低い乾期が始まる6月からは伐採がやりやすくなり、森林破壊率が急上昇している。今年6月に失われた森林面積は、昨年6月の180%にもなる。
今年1月に就任したボルソナロ大統領(Cris Faga/NurPhoto via Getty Images)

「アマゾンはブラジルのもの」