[ワシントン 29日 ロイター] - 2020年の米大統領選の民主党候補指名を目指すエリザベス・ウォーレン上院議員は29日、自身が大統領になった場合の貿易に関する指針を発表した。通商問題の交渉担当者に新たな合意の草案の開示を義務付けることなどが盛り込まれている。

民主党の大統領候補指名争いには多数が名乗りを上げ乱立状態となっているが、その中でウォーレン氏は最も詳細な政策提案を発表。製造過程で多くの温暖化ガスを排出する製品を輸入する際に課税する仕組みも提案した。

トランプ大統領の通商政策は時に共和党の方針と相容れない一方で、民主党のリベラル派との親和性も一部みられている。こうした中、民主党内ではトランプ氏に対抗する方法の模索が続いており、ウォーレン氏らはこれまでもトランプ大統領の通商政策を攻撃してきた。

ウォーレン氏は「巨大な多国籍企業は何十年にもわたり米国の通商政策を牛耳ってきた。こうした大企業は利益を上げたが、その他の誰もが代償を払った」と指摘。通商問題の交渉過程の透明性の向上を訴えたほか、通商合意の条件などについて議会がより大きな役割を果たすことも提案した。

また、医薬品と農産品の輸入に関する新たな基準の設定も呼び掛けたほか、世界貿易機関(WTO)を通して、米国の貿易相手国に一段と厳しい人権や環境を巡る基準の適用を要請することなども提案した。