[東京 26日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点とほぼ変わらずの108円半ば。海外市場でつけた2週間半ぶり高値には届かなかったが、日中も高値圏で底堅い動きが続いた。

ドルは108円半ばで売買が交錯した。来週にも米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切るとの見方が濃厚な中、上値では戻り売りを狙う向きが少なくなかったという。

前日海外市場でドルは一時108.75円と、今月10日以来2週間半ぶり高値を更新した。欧州中央銀行(ECB)理事会が追加緩和を見送ったことで、ユーロがサプライズ期待の売りを巻き戻す形で上昇。一時過去最低を記録した独国債金利が反転上昇し、米金利にも波及した。

みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏は「ECBは9月に何らかの手を打たざるを得なくなった。量的緩和再開やフォワードガイダンスの強化が次の一手となり得るが、為替市場の流れは、FRBのハト派傾斜を受けたドル高修正にある。ユーロは年内に1.15ドル付近へ上昇する」としている。

市場筋によると、欧州金利先物市場が織り込む9月の利下げ確率は8割程度と、理事会前から若干低下した。今回の理事会で追加利下げ実施に関する議論がなかったことなどが背景だという。「過度な欧州金利の低下が避けられる公算が高まったとすれば、(国内)生保や年金の資金はある程度、欧州債に向かい続ける」(野村証券)との指摘がある。

国内投資家は今年5月、スペイン債を過去最大となる3928億円買い越していた。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 108.63/65 1.1144/48 121.07/11

午前9時現在 108.66/68 1.1143/47 121.10/14

NY午後5時 108.62/65 1.1145/49 121.08/12

(為替マーケットチーム)