圧倒的な「企画力」と「コンテンツ力」で人の人生を動かす

2019/7/31
NewsPicksにはオリジナル記事を書く編集部と、スポンサー広告を作るブランドデザインチームがある。両者に共通しているのは、圧倒的な企画力とコンテンツ制作力を持つこと。広告も広告とは思えない記事にすることをポリシーとしている。

そのブランドデザインチームのビジネスをスケールさせるために、GoogleやTwitterで広告ビジネスを手がけてきた王子田克樹氏が参加した。

さらに、NewsPicksに新しい柱を作るべく、リクルートで数々の新規事業やスタートアップ立ち上げに携わった麻生要一氏も加わった。麻生氏は法人向け事業を立ち上げている最中だ。

なぜ2人はNewsPicksに興味を持ったのか。どんな強みがあり、それを生かしてどんな世界を作ろうとしているのか、お話を伺った。
本物の広告は、人の心を動かし、人生を変える
──リクルートで複数の新規事業やスタートアップ立ち上げに携わり、現在は起業家として2社を経営する麻生さんと、GoogleとTwitterで合計10年オンライン広告ビジネスを成長させてきた王子田さんがNewsPicksに興味を持った理由は何だったのでしょうか。
王子田 GoogleやTwitterではCPCやCPAなどパフォーマンスを上げるオンライン広告を手がけてきました。
 でもNewsPicksの広告(以下:ブランドストーリー)はCPCやCPAの世界とは対極にあったんです。
 記事広告なのに肩身が狭くなくて、むしろクライアント企業から喜んでもらえている。
 「広告を超えた広告」で、読者の心を揺さぶる“作品”を作っていることに「奇跡的なビジネスモデルを実現させている」と思いました。
 一方で、リーチできる人が限られている上に、インターネット企業らしからぬ手作り感満載な手法を取っているため(笑)、今のままではスケールしません。
 だから、奇跡的なことを成し遂げているブランドデザインチーム(広告チーム)をもう一つ上の世界に押し上げて、ビジネスをスケールさせたいと思いました。
麻生 王子田さんは「広告を超えた広告」と言っていましたが、僕は数字では語れない価値を持つ「本当の広告」だと思っています。だからずっと熱狂的なファンでした。
 僕はリクルートに入社して最初の2年間は広告営業をしていたのですが、当時よく聞かされていたのが「広告で人生を変えた話」です。
 たとえば、昔存在していた「B-ing」という求人雑誌の見開き2ページに「10人規模の会社が社運をかけて採用広告を掲載した」という話を先輩たちから口伝で聞かされて、「これこそが広告の力だ」と刷り込まれて育ちました。
 それは、「初めての中途採用だったので、社長さんはたくさんのメッセージを広告内に入れようとしていたが、担当営業はキャッチコピー1つで勝負に出た。結果、数百万円を投資したにもかかわらず、反響は1件のみ。大失態だった。
 しかし、その1人が入社すると業績はどんどん上向き、最終的には数百人規模の会社にまで成長させて社長に就任。大失敗だと思われていた広告の、たった1行のキャッチコピーが、実は1人の人生を変えていた。」という話。
 広告は人の心を動かして人生を変えるものなので、安易に数字で効果を測定できないし、仕組みで効率化するものでもありません
 こうした話をたくさん聞いたし、自分でも似たような体験をしたことで、広告とは、そういうものだという原体験がありました。
 だけど、インターネット広告は数字と効率と仕組みの世界で、クリエイティブではない。だから、NewsPicksの記事広告を見たときに、これが本当の広告だと思いました。
王子田 鳥肌が立つ話ですね。そこでいうと、ブランドストーリーの隠れた目的には採用ブランディングがあって、人生の岐路での選択に寄与する大きな役割があると思います。
 ユーザベースグループのミッションに「経済情報で世界を変える」とありますが、世界を変えるためには人が変わる必要があり、人を変えるためにニューズピックスが存在している。
 ここに大きな価値を感じています。
他社を寄せ付けない、圧倒的なコンテンツ制作力
──麻生さんは現在、「NewsPicks for Business」という法人向けの新規事業を立ち上げています。どんな価値を提供しているのでしょうか。
麻生 現在、絶賛立ち上げ中の「NewsPicks for Business」は法人向けソリューションを提供するビジネスで、すでに販売を開始しているのは、組織活性化や人材育成のためのインナーコミュニケーションツール「NewsPicks Enterprise」です。
 これは、その会社に必要な記事やNewsPicksが制作するコンテンツを、その会社の人だけ見られるタブに配信する、他にない新しいモデル。
NewsPicks Enterpriseを活用しているユーザベースの事例。NewsPicksのアプリ内に、その会社の従業員しか閲覧できないコンテンツが並ぶ。
 でもこれを社内報システムだと捉えると、優れた技術で作られているサービスや、安価で提供されているサービスなど競合はたくさんあります。
 その数多ある中で、新参者である「NewsPicks Enterprise」が支持されるのはなぜか。
 確固たる結論はまだ出ていませんが、一つたどり着いた答えは「コンテンツを作れる」という圧倒的な強みが、他にはない価値を生み出していること。
 重要なのは「社内報システム」ではなくて、そこにどれだけ面白いコンテンツを並べられるかどうか。でも、クライアント企業も社内報システムを作る会社も、コンテンツを作る力は持っていません。
 僕らはクリエイティブな取材記事の提供に加えて、クライアントに対して社員のエンゲージメントやモチベーションを高めるような社内イベントやカンファレンスを開催し、後日、単なるレポートではない質の高い記事も提供しています。
 そうして人の心を動かしている。
 キュレーションシステムやアルゴリズムなど“インターネットの仕組みの世界”は誰でも作れますが、イベントを含めたコンテンツプロデュースができる人はほとんどいないんですよね。
 コンテンツこそが「王者」なのに
王子田 昔からずっと言われてきましたけどね。
麻生 そうなんです。ずっと言われてきたものが、インターネットの世界でうやむやになり、ようやく本質的な価値は何か多くの人が気づき始めたのだと思います。
 高い企画力を持ち、圧倒的なクオリティでコンテンツを作る力があり、日本の経済界のタレントを誰でもブッキングできるポジションにいるNewsPicksは、経済界における最強とも言える存在
 そんな会社は他にないと思っています。
人生が変わる瞬間をひとつでも多く生み出したい
──NewsPicksが持つコンテンツ力を生かして、お二人はどんな未来を描きますか?
麻生 世界を動かす力を持つメディアになること。メディアは批評家のポジションになりがちですが、この影響力をもって自分たちで世界を動かせる力を持ちたいと思っています。
 NewsPicks for Businessはそのために立ち上げている事業でもあるんです。
 単にソリューションを提供しているだけではなく、クライアントの経営課題を解決するために社内の人と変革プロジェクトを立ち上げたり、新規事業を作ったりなどのコンサルティングに近いこともやっています。
 そこで得た知見を、NewsPicksの編集者たちにフィードバックできたら、より面白い世界を描けると思っています。
王子田 僕が担当するブランドデザインチームは事業をスケールさせることで、1人でも多くの人の心を揺らして一歩を踏み出してもらうこと、そしてその頻度を上げていくことにチャレンジしたいと思っています。
 これは、ある大学生の実話です。
 彼は就職を「一生我慢して働くこと」と捉えていたんです。だけど、僕らが発行しているHOPEというタブロイド誌をたまたま読んだときに、我慢して働くのとは全く違う世界があることに気付いた。
 雷に打たれたような衝撃があったそうなんです。以降、NewsPicksのアプリをインストールして毎日記事を熱心に読み、積極的にコメントを書くようになった。その結果 、社長の目にとまって某一流企業に特別枠のような形で採用された。
 それまでは、真っ黒に日焼けして、女の子を海岸でナンパすることが一番の関心事だったマッチョ自慢の大学生が、です。
 こうした「NewsPicksの記事を読んで人生が変わりました」という人を、1人でも多く増やせたら幸せだと思っています。
NewsPicksが発行しているタブロイド誌「HOPE」
麻生 本当にそうですね。僕もある大企業で外部ゲストを呼んだカンファレンスを開催したときに、同じようなことがありました。
 後日、参加した人から「あのカンファレンスで人生が変わった」と言われたんです。
 その人は、大企業のヒエラルキーの世界で与えられた仕事をこなし、理不尽でも我慢しながら働くことが常識だと思っていたそうですが、カンファレンスで大企業でも変えられることがわかって勇気が出たそうです。
 いま、この人の声かけによって、変わらないと思われていた大企業に新しい動きが出始めています。
新しいビジネスで、新しい価値を生み出す
──麻生さんは法人向けサービスから、王子田さんはコンシューマー向けサービスから、それぞれに人生を変える瞬間を作っているのですね。それぞれのチームに欠けているピースはありますか?
麻生 NewsPicks for Businessは、働く人のエンゲージメントをデザインするツールやコンテンツを提供して企業と人を動かしていくので、「エンゲージメントデザイナー」ともいうべき新職種が圧倒的に欠けています。
 ただ、こうしたビジネスが今までなかったし、仕事として経験した人がいないから、即戦力の人はいません(笑)。
 新しい領域なので、どこで何をしていた人が活躍できるかもわからないのが現状です。
王子田 WeWorkが日本でコミュニティマネジャーをなかなか見つけられないのと同じですね。
 学校で「あの担任の先生のクラスだけ、妙に盛り上がっている」ってあるじゃないですか。熱血先生がいて、30人31脚が盛り上がっているような。その熱血先生を集めたいイメージ?
麻生 そうかもしれないです。ただ、熱血先生は我々なのか、それともクライアント企業の中に熱血先生を作り出すのか、答えは出ていないんです。
 いずれにしても、いまは事業の立ち上げ期なので、高い価値を提供する新しいビジネスを作りたい人や、手探り状態でも会社や人が変わる瞬間を創出したい人には、本当に面白いフェーズだと思いますよ。
王子田 ブランドデザインチームは、本物の広告を作っているからこそスケールしにくいわけですが、それをスケールさせる知恵を出し、工夫ができる営業と編集者は継続的に必要としています。
 加えてこれから増やしていきたいのは、現在のブランドストーリーと同じクオリティで、動画や音声などテキスト以外でも同等の価値を持つコンテンツを作る知恵です。
 たとえば、採用に関する動画は世の中にたくさんありますが、「私たちの会社はこんなに素晴らしい会社です」「こんなに素敵な社員がいます」という動画をNewsPicksに流しても、誰も感謝しないですよね。
 そうではなく、5000文字の記事の読了感と同じ価値を数分の採用動画に盛り込んで「人生が変わりました」と言われるようなコンテンツを作りたい。
 表現の幅を広げた新しいコンテンツを考えて形にしたい人が集まれば、もっと面白いメディアになると思っています。
麻生 それ、めちゃくちゃ難しいですね(笑)。でも、そういった新しいコンテンツこそ、NewsPicksが最初に開発すべき。
 今、日本のニュースメディアの多くがNewsPicksを踏襲しているなと思うのですが、それはブランドストーリーのフォーマットが魅力的だったから。
 いつも最初に面白いことを考えて形にする集団であり続けたいですね。
(取材・文:田村朋美、写真:岡村大輔、デザイン:九喜洋介)