[東京 24日 ロイター] - キヤノン<7751.T>は24日、2019年12月期(米国会計基準)の連結営業利益予想を前年比37.3%減の2150億円に下方修正した。従来予想は同20.1%減の2740億円だった。カメラなどイメージングシステム部門が予想以上に落ち込む見通し。

会見した田中稔三副社長は「下方修正した590億円のうちの半分くらいはカメラ関係だが、カメラ以外も軒並み少しずつ悪くなっている」と語った。

下方修正は4月に続いて2度目となる。経営環境が厳しさを増していることを受け、当初200億円を見込んでいた構造改革費用を300億円に積み増すことを決めた。

部門別の営業利益予想はオフィス部門が前年比12.9%減の1924億円、イメージングシステム部門が同50.3%減の630億円、メディカルシステム部門が同20.7%増の348億円、産業機器その他部門は同65.9%減の190億円となっている。

産業機器では、半導体の設備投資抑制や有機ELパネルの投資先送りが響く見通し。日本の韓国向け半導体材料の輸出規制の影響はないという。

会社の営業利益予想は、リフィニティブが集計したアナリスト18人の予測平均値2764億円を大きく下回る。

売上高予想も前年比5.2%減の3兆7450億円に下方修正した。前回予想は同2.6%減の3兆8500億円だった。下期の想定為替レートはドルは1ドル105円で据え置いたが、ユーロは5円円高の120円に見直した。

田中社長は米中貿易摩擦の影響について「中国はアメリカと並んでカメラが売れている。米中貿易摩擦を発端とした消費の減速はカメラビジネスへの影響が大変大きい」と語った。

2019年1─6月期は、売上高が前年比10.0%減の1兆7703億円、営業利益は同52.3%減の835億円だった。

*内容を追加しました。

(志田義寧)