【1分解説】「英国のトランプ」は、何をしでかすのか

2019/7/25
ボリス・ジョンソン新首相誕生のニュースに、イギリスで恐怖と期待が渦巻いている。
貿易に関する合意なく、政治協定もなく、今後の交渉のお膳立てもないままに、このまま政府がEUをさっさと離脱してしまうのではないかというものだ(恐怖か期待かは人によって異なる)。
英議会は、テリーザ・メイ前首相がEU本部と交渉を続けてきた離脱協定案を、今年に入ってから3度にわたって否決し、ついにはメイを退陣に追いやった。
メイは「合意なき(ノーディール)ブレグジット」の可能性を再三口にしていたが、これは単なる交渉上のポーズに過ぎなかったのかもしれない。彼女は追いつめられると、離脱の期限を延期することに2度も同意した。最終的に、合意に達するまでの時間を稼ぐべく、離脱期限は10月31日に改められた。
このたびメイの後継者に指名されたボリス・ジョンソンは、より良い合意を引き出すつもりだと語る一方で、イギリスは期限までにEU離脱を果たすべきだと主張する──仮にそれが、合意なき離脱であったとしても。
数多くの疑問に対し、現状で得ることのできる答えはあまりに少ない。とはいえ、ひとまず「今わかっていること」をまとめてみよう。
(Dan Kitwood/Getty Images)