[キエフ 22日 ロイター] - 21日投票のウクライナ最高会議(議会、定数450)選挙は、ゼレンスキー大統領の新興政党「国民の奉仕者」が過半数議席を確保する見通しとなった。ウクライナは1991年にソ連から独立したが、単独過半数を確保した政党は独立後初めてとなる。

シンクタンク・ペンタのVolodymyr Fesenko氏は「(国民の奉仕者は)議会で過半数を確保するだろう。大差で過半数を確保する可能性が非常に高い。これほど多くの選挙区で勝利したのは全く驚きだ」と述べた。

国民の奉仕者は、蔓延する汚職や低い生活水準に不満を持つ有権者から支持を集めた。今回の勝利を受けてゼレンスキー氏は、議会での政治基盤を確保。今後新政権を樹立し、選挙で公約した改革を推し進める考え。

ゼレンスキー氏は4月の大統領選でポロシェンコ前大統領に圧勝したが、議会や内閣にはポロシェンコ氏に近い人物が多いため、就任直後に前倒し選挙の実施を発表した。[nL4N24M162]

ゼレンスキー氏の支持者は選挙結果を歓迎。キエフの金融スペシャリスト、Olena Moskalenko氏は「私たちの国が変わるだろう」とコメントした。

国民の奉仕者の幹部によると、同党は小選挙区199区のうち125─127区でリード。

選挙管理委員会が発表した暫定結果によると、国民の奉仕者は、比例代表でも過半数の票を獲得。同幹部によると、比例代表では121─122議席を確保できる見通し。

得票率2位は、親ロシア政党「野党プラットフォーム-生活党」だが、国民の奉仕者に大差をつけられている。3位はポロシェンコ前大統領の「欧州連帯」、4位はティモシェンコ元首相の「祖国」。

人気ロック歌手ワカルチュク氏が立ち上げた西側寄りの新党「声」も、得票率が議席獲得に必要な5%を超えた。ゼレンスキー氏が連立を模索しているのは声のみ。

ウクライナ市場では政治が安定するとの期待が広がっており、同国のドル建て国債は2018年初め以来の高値に上昇した。

*内容を追加します。