[東京 22日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、19日のニューヨーク市場午後5時時点に比べ小幅にドル高/円安の107円後半。米国での大幅な利下げの思惑が後退しドルが買われた前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、午前中は底固い値動きをみせた。しかし、午後に入ると持ち直していた米長期金利が再度反落したことなどで、ドルも伸び悩んだ。

早朝の取引では、一部の中国企業が米国産農産物の新たな購入を模索しているとの新華社の報道が伝わりドルは若干買われた。仲値公示にかけては輸入勢の買いが流入し、108.07円まで一段高となった。

しかし、中国商務省が欧州連合(EU)、日本、韓国、インドネシアの一部ステンレス製品に23日から反ダンピング関税を賦課するとの報道が伝わると、ドルは108円割れまで下落。

米長期金利が2.0670%から2.0530%へと低下したことも、ドルの上値を抑えた。

参院選の結果はサプライズがなく為替相場への影響はなかったが、選挙後に本格化する日米通商交渉を警戒する声が聞かれた。

「市場も次第に夏休みモードになりつつあるが、対中通商協議が全く進捗せず国内で成果をアピールできないトランプ大統領は、矛先を日本に向け、夏休み前に一度何らかの楔(くさび)を打ってくる可能性が高い」(FXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏)という。

ユーロ/円は121円前半で堅調。

欧州中央銀行(ECB)は24─25日の理事会で、景気減速などを背景に政策金利のフォワードガイダンスを緩和バイアスに修正し、9月に中銀預金金利を引き下げることを示唆するとみられている。

「英国でのジョンソン前外相の首相就任やECBの利下げバイアスなど、今週はクロス円での円高リスクに警戒が必要だ」(外為アナリスト)との意見が出ていた。

ただ「来週にFRBによる0.25%ポイントの利下げが確実視されるなかで、今回ECBが思い切った緩和メッセージを出さないとすれば、来週以降は逆にユーロ高に振れるリスクもある」(証券会社)という。

ECBは先月の理事会で、フォワードガイダンスについて現状据え置き期間の見通しを以前の「今年末まで」から「2020年前半まで」に変更した。

ロイターのエコノミスト調査では、ECBがそのガイダンス自体を緩和バイアスに修正した上で9月に中銀預金金利をマイナス0.50%に引き下げるとの予想が3分の2を占めた。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 107.96/98 1.1216/20 121.11/15

午前9時現在 107.81/83 1.1215/19 120.93/97

NY午後5時 107.70/73 1.1220/24 120.86/90

(為替マーケットチーム)