SmartHRが61.5億の大型調達、攻めのファイナンス戦略
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今回のファイナンスを通して当事者としての所感をを2点ほど
1. 資本のグローバル化について
シニフィアンのコバケンさんがおっしゃっていましたが、日本のスタートアップにとって「事業のグローバル化」より「資本のグローバル化」が先に来ることも多くなるのではないかと感じました。
今回は株主はじめ諸々の関係者の方に繋いでいただき、10社ほどの海外投資家とお会いしました。正直、最初はどんな反応をもらえるか検討もつきませんでしたが、結果大半の投資家には概ねポジティブに検討していただいて、さらには「日本のイケてるスタートアップを教えてくれ!」と興味津々でした。
また、事業が国内であったとしても、メトリクスが整備されていて国や地域を越えても共通理解を醸成しやすいSaaSには、「資本のグローバル化」を押し進めやすい大きなメリットがあるのを強く感じました。
日本のスタートアップにはまだまだ大きなポテンシャルが詰まっています。皆さん一緒に頑張っていきましょう!
2. コーポレート部門のグローバル化について
1つめとも関連するのですが、実際のところ海外投資家から出資を受けようとすると、ミーティングも英語、提出する資料も英語、契約書も英語、と英語づくしです。
また、言語だけでなく、実務面では会計基準の差異や投資契約のスタンダードの違い、関連する法規制など、双方の違いを分かった上でコミュニケーションする必要がありますし、もしIPO時に海外向けのオファリングをするとなると、さらにクリアすべき規制が立ちふさがります。
スタートアップでは「小回りのきく柔軟な」コーポレート部門が求められることが多いように思いますが、海外から投資を受けようと思ったらそんなことも言ってられず、グローバルスタンダードに対応できる強固なコーポレート部門(経理・財務・法務・IR・経営企画あたりを中心に)を早い段階で構築する必要があるなとひしひしと感じました。
これまでは比較的スタートアップ界隈とは縁遠かったグローバル大企業のバックオフィスの人がスタートアップに転職するということも増えてくるかも知れません。
何が言いたいのかと言うと、SmartHR社ではグローバルスタンダードに対応できる強固なコーポレート部門を一緒に作ってくれる仲間を大募集中です!
長々とポジショントーク失礼いたしました。
注目のコメント
今回、シリーズCの調達を実施なさったSmartHR社ですが、シニフィアンからは、運営する「THE FUND」を通じて出資致しました。先月設立した「THE FUND」にとっては、Smart HR社への今回の投資が第1号案件に該当します。
Smart HR社の宮田さんとは昨夏より、1年近くをかけて経営体制の強化や事業成長に向けた議論を続けてきました。その過程で、足元の事業が力強く成長していく様子を確認すると同時に、外部との議論やフィードバックに対して非常にオープンな経営チームの感覚を知り、強いフィットを確信するようになりました。
また下記リンク先にも記載していますが、宮田さんご自身の辛い体験に根ざしたサービスづくりをなさっていることも、大変共感する点です。
THE FUNDにとっても非常にフィット感のある会社・経営チームの皆さんと最初の案件をご一緒することができ、大変嬉しく思っています。
https://newspicks.com/news/4075742/SPVについてもがっつり解説していただけていて嬉しい!
今回、僕らが紹介した海外VCも非常に強い関心を持ってくれました。海外VCからの日本のスタートアップへの投資は間違いなく増えます。投資のロットやバリュエーションももう一つ上のステップに進める時代が来ていると感じています。本日、シリーズCで61.5億円の調達を公表した企業の人事・労務管理領域のSaaSを運営するSmartHR。
同社はSPV活用など特徴的なファイナンスを行っています。
事例として広く知ってほしいと考え、このタイミングで同社のファイナンスの軌跡をまとめています。
今回のシリーズCの投資家は既存投資家含めて8社。SaaSユニコーンへも過去投資してきた新規の海外VCも含まれています。
投資先であるシニフィアン朝倉さん、ALL STAR SAAS FUND前田ヒロさんにお話しをうかがいました。
"「ドメスティックな事業であっても大きな成長はできる。その手段として、調達は海外でもいいと思う。」
宮田氏の言葉は、今後のスタートアップファイナンスの1つの指針になるだろう。"
海外投資家からの注目が徐々に集まってきていることを予感させます。