フェイスブックの仮想通貨「Libra」を取り巻く疑問と懸念──米公聴会から見えてきたこと
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注目のコメント
非常に内容が纏まった考察記事なので私も私見を。
1. Calibraのオフチェーンアプローチ
"カリブラがもつブロックチェーン上のアドレスはひとつだけであることを強調した。つまり、カリブラユーザー間の取引は、ブロックチェーンそのものとは関与しないということだ。こうすることによって、カリブラはウォレットを立ち上げたい国のそれぞれで、消費者向けの資金を扱う事業を現地法に準拠させられる。"
→そのまま読むならCalibra(FBスイス子会社でFB製ウォレットを担当)はオフチェーンで取引を行う予定とのこと。これであれば、規制当局からの情報開示にはかなり安易に回答できるし、国毎に仕様を切り分けることも可能であろうと思うがここをオンチェーン(ブロックチェーン上)に刻まないのはそもそものプロジェクトがブロックチェーンありきではなく、Payment toolをFBが作るという目的にあるように感じられる。
2.経済制裁国がLibra Networkを用いてサービスを展開するリスク
文中にはこれはオープンソースだから作れてしまうとの話が出ているが、コンソーシアム型のブロックチェーンであれば特定のサービス以外からのトランザクションは処理させないことも可能である。実際に分散化を実現しているZcashのマイニングにおいても、特定のマイナーが匿名化されたトランザクションを取り込まない(この場合は他のマイナーが取り込んでいた)ケースが発生した。この理由はバグであったことが後に報告されたので意図して起こした訳ではなかった。