【最新】吉野家が採用、ANAが参入するスリープテックの実力

2019/7/23
海外旅行や出張の時に直面する、時差ぼけ。長旅を終えてせっかく現地に到着しても、意識が朦朧(もうろう)として、パッとしない状態で過ごす、なんてことはよくあることだ。
そんな時差ボケの問題に対処すべく、航空会社が立ち上がった。
ANAホールディングス(HD)では今、「時差ぼけ調整アプリ」を開発している。搭乗予定の3日前から帰国3日後まで、時差に体を慣らすためのアドバイスを提供するアプリで、2020年春の一般公開を目指して開発中だ。
時差ぼけ調整アプリのデモ画面。黄色の部分が食事のタイミング(ANAホールディングス提供)

ANAの職員も納得の時差ぼけ調整

ヒトの体には、約24時間の周期で「1日」を刻む体内時計が備わっている。これを「概日(がいじつ)リズム」という。概日リズムに合わせて、体温やホルモンの分泌などが調整されて、睡眠と覚醒を繰り返す。
ところが、飛行機などで時差がある地域に移動すると、現地の時間と概日リズムがズレてしまい、体調が悪くなったりする。これがいわゆる時差ぼけだ。
この概日リズムを意識的にずらすのはとても難しく、無理をしても1日最大2時間程度しかずらせないといわれている。
例えば、東京ーニューヨーク間は13時間の時差があるが、これを1日で調整するのは、人間の体の構造上かなり無理があるということだ。また、眠りのリズムには個人差があるため、時差ぼけの程度や対応力も、人によってばらつきがある。
時差ぼけ調整アプリのイメージ(ANAホールディングス提供)
時差ぼけ調整はわかりやすい対策があるものではなく、やり方は人それぞれ。実は、パイロットや客室乗務員など日々、時差ぼけに直面する職員を多く抱えるANAにも、確立した時差ぼけ対策法はなく、各個人での対応にまかされている。
では、時差ぼけ調整アプリはどのように時差に体を合わせるのか。