【直撃】退職代行サービスは、「正義の味方」なのか

2019/8/18
「会社、辞めたいです」
LINEでメッセージを送るだけで、自分に代わって、勤め先を辞めるための手続きを引き受けてくれる退職代行。その料金は正社員で5万円、契約社員・アルバイトは3万円だ。
ワンクリックで、会社から消え去る。そんな衝撃的なサービスは、すでに賛否両論の嵐を巻き起こしながらも、成長を続けている。
NewsPicksは退職代行サービスのパイオニアであるEXIT(イグジット)の共同創業者2人にインタビュー。これまで合計4000人の退職をサポートしてきた経験から、見えてきたリアルを語ってもらった。
(左)岡崎 雄一郎EXIT代表取締役
私立開成高校を卒業後、アメリカの州立大学に留学、ボクシングに熱中し中退、帰国。解体工、型枠大工、歌舞伎町キャバクラでの勤務を経て、個人名義で退職代行事業を開始。

(右)新野 俊幸EXIT代表取締役
青山学院大学文学部英米文学科を卒業後、ソフトバンク、リクルートテクノロジーズ、サイバー・バズを経て、退職代行を提案。
ラーメン店の店長は「お得意様」
── 昨年、退職代行サービスが話題になりました。
岡崎 すごい勢いで、退職代行サービスの市場は広がっています。うちには毎月300件を超える依頼があり、この2年間のうちに、今や同業者は30社以上に増えました。それほど需要があるということでしょう。
主な退職理由は、「人間関係」「低賃金」「長時間労働」の3つです。
上司が怖い、お局さんに悪口を言われる、残業代が出ないなど。どの世代にも共通する3つの要素があり、必ずしも「若者はメンタルが弱いから、退職代行サービスに頼っている」として、このムーブメントを片付けることはできません。
── 依頼者の多い業種は?
新野 例えば、チェーンのラーメン店の店長は多いですね。
岡崎 ラーメンチェーンの店長という仕事は、責任が重いわりに、給料は安いんですよ。多くはアルバイトの人数も少なく、何カ月も休みなしで店長が働いている。
また本社からは「お前が居ないと回らない」と言われ、押し潰されています。
退職の意向を伝えても「辞めるなら、責任として代わりの人を見つけてからにしてください」と言われます。
もちろん、毎日働きっぱなしで、代わりの人を見つけられるわけもなく、ズルズルと働き続け、心身に異常をきたして退職代行に駆け込んでくるのです。
(写真:DigiPub)
新野 業界別でいうと、一番多いのは製造業ですね。以前、同じ職場から一度に10人ほどの依頼がありましたよ。