サンマ漁獲枠導入で初合意 55万トン、資源回復へ前進
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まずは漁獲枠の導入に対し肯定的な評価をすべきところか。国別の漁獲枠で制限をかけないと資源回復の第1歩は始まらない。それから色々なものを漸く始められる。
もちろん、この水準が妥当か、という視点は必要だが、中々導入できなかった漁獲枠を漸く導入できたことを先ずは喜ぶべき。
次になすべきは、この水準の厳格な管理、水準の妥当性の検証もそうだが、国内にどう配分するか。ここで大事なのは、大漁を喜ぶ時代が終わったことをしっかり認識すること。つまり、漁業の収入・費用を上げるには単価を引き上げる必要がある。
単純に単価を(独占力を使って不当に)引き上げるのではなく、品質を高めることが大事。この意味で、巻き網を含め一網打尽的な取り方で魚を傷付けるより、1匹1匹丁寧にとるやり方の方が遥かに価値がある。
ここは国内における枠の配分に大きく影響する。巻き網がたくさん獲れてしまうから枠をたくさん配分してしまうやり方は、かつて日本が太平洋クロマグロでやらかしてしまった方式。漁法をしっかり見て、という制約は付けるが、一般には沿岸での漁業の方が遠洋的な漁業より巻き網などの一網打尽的な方式は少ない。単価の高い漁法に優先的に配分し、巻き網などの一網打尽的な取り方に対し強い制約をかけるのが本来は妥当。
なお、付け加えると、過去の漁業実績から国内で枠の無償配分をする方式は非常にとられがちだが、この意味でも現行の獲れている量から枠の配分を無償配分で決めてしまえば、単価の低いところに多く流れてしまう。これは非常に問題。本来ならオークションでも行って枠の配分は決めるべき問題だが、難しいところも多いので、割り振り方を単価の高い漁業に優先すべきところ。
そして、国内でも枠の売り買いができる譲渡可能な漁獲枠の導入は環境経済的な観点からも大事だが、日本ではなかなか導入出来ていないことが多い。但し、雇われ漁業者を囲う水産会社等にたくさん買われても資源の保護には繋がらないので、自営の範囲に限る必要がある。
もちろん鮮度を維持した保存方法など、単価を引き上げるやり方は大事。粉にして等の手法を入れなければならない位単価の落ちる加工に繋がる漁法には優先すべきではない。
経済系の研究者の視点を入れれば、配分をした枠を事後にも国際的に売り買いできない譲渡不能漁獲枠は適切に配分する決め方が実はない為、現行の国別の枠の配分は妥当性が無い。過去10年の漁獲量平均が40万トンなのに対して、今回の55万トン制限は資源回復に繋がるのかと疑問に思うが、まずは中国など最近サンマを取り出した国に対して制限を設けれたという事で良しとすべきなのだろう。
中国や台湾などサンマの需要が伸びている背景は大家族から核家族化へと移り、型の大きい魚を分けて食べる習慣から個人ごとに食べるようになったと言ってました。
資源を守るために漁獲量を制限することは必要でしょう。良く合意になった思います。しかし、合意出来ても必ずしも制限された通りに守れるかわからない。また、日本は操業期間を8月から12月までとしていたのを漁獲枠を決めたことで制限を外しました。それが資源回復につながるのか疑問。