[シャンティイ (フランス) 18日 ロイター] - カーニー英中銀総裁が国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事の後任に選出される公算は小さいと、欧州当局者が18日明らかにした。

IMF専務理事は欧州から選ばれるのが慣例になっているが、カーニー氏はカナダ出身。英国とアイルランドのパスポートも保有しているが、欧州出身者とはいえないとの見方が強まっているという。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の合間に関係者が明らかにした。

当局者の1人は「誰もがカーニー氏のことを気に入っているが、彼は(IMF専務理事就任に)必要とされるパスポートを持っていない」と語った。

G7財務相・中央銀行総裁会議の議長を務めたルメール経済・財務相は会議後、「欧州が引き続きIMFを率いることを可能とするため、欧州出身の候補者を巡り堅固なコンセンサスを形成することを目指している」と語った。

カナダのモルノー財務相は、欧州のIMF専務理事候補について認識していないとしつつも、カーニー氏は国際金融のプロと評価。「特定のパスポート保有者だけでなく、将来の課題に対処できる能力を持つ人材についても模索しているはずだ。国際金融システムを深く理解し、厳しい状況にある国々と効率的に交渉を展開できる人材がIMFのトップに就くべきというのがカナダの見解だ」と述べた。

IMF専務理事候補にはこれまでに、オランダのデイセルブルム元財務相、スペインのカルビノ経済相、ポルトガルのセンテノ財務相、フィンランドのレーン中銀総裁の4人の名前が上がっており、EU諸国が協議を続けている。

G7関係者によると、G7議長国であるフランスのルメール経済・財務相は、7月末までに候補を1人絞り込むことを目指している。

ラガルド氏は、欧州中央銀行(ECB)総裁への指名を受け、今週専務理事を辞任した。

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