従業員1人当たり約3000ドルの費用

金融機関がサイバー攻撃の格好の標的となるなか、大手銀行を初めとする金融機関は自社のコンピューターネットワークをサイバー犯罪から守るために、従業員1人当たり約3000ドルもの費用を投じていることが、デロイトと金融サービス情報共有分析センター(FS-ISAC)の調査で明らかになった。
2018年の従業員数を元に計算すると、たとえばJPモルガン・チェースやHSBCホールディングスであればそれぞれ年に約7億5000万ドルを、バンク・オブ・アメリカやシティグループならそれぞれ約6億ドルをサイバー防衛に投じていることとなる。
顧客や口座などの情報を狙ったサイバー攻撃の急増を背景に、最大手の金融機関のなかには、この3〜4年でサーバー防衛予算を3倍に増やしたところもある。
IBMが2月に発表した報告書によれば、昨年、全サイバー攻撃のうち金融業界を狙ったものは19%を占めた。もっともデロイトによれば、予算を増やせばよりよい防御につながるとは限らない。
「金だけがカギではない」と、デロイトのサイバーリスク部門の主任研究員、ジュリー・バーナードは言う。「セキュリティ計画がどのように立てられ、実行に移され、管理されるかも、それに負けず重要だ」
前述の調査は金融機関96社を対象に、昨年10〜11月に行われた。サイバーセキュリティ支出の平均は従業員1人あたり2300ドルだった。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Yalman Onaran記者、翻訳:村井裕美、写真:metamorworks/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with HP.