【解説】倒産企業は減少でも、中小企業が抱える「時限爆弾」

2019/7/18
帝国データバンクはこのたび、2019年上半期(1月~6月)の全国企業倒産データをまとめた。
それによると、倒産件数は3998件(負債1000万円以上の法的整理が対象)となり、前年同期比で0.8%減少(31件減)。上半期としては2005年以来、14年ぶりに4000件を下回った。
また、負債総額は7507億6000万円となり、前年同期比で17.6%減少(1603億5700万円減)した。
これは2000年以降の20年間で最少である。
中小企業への資金繰り悪化を防ごうと「中小企業金融円滑化法」がリーマン・ショック後の2009年に施行されたり、私的整理の一種である「事業再生ADR」が活用されたりしたこともあり、法的整理による倒産は減少傾向にある。
だが、「経営破たん状態に陥った」という基準で件数をカウントするならば、倒産取材記者の肌感覚としてはむしろ「増えている」ようにも感じる。
上半期のデータをひもといていきながら、今後の行方を解説していこう。
(写真:吉澤菜穂/アフロ)

負債最大は「あの子会社」

まず、言わずもがなではあるが、圧倒的に多いのが中小企業だ。倒産した3998件のうち3991件と、100%近い数字になっている。