【独占】アサヒビール社長が語る「国内ビール」の攻略法

2019/7/24
それは厳しい国内の「裏返し」なのだろう。
7月19日、アサヒグループホールディングスは豪州のトップビールメーカー、カールトン&ユナイテッドブルワリーズを1兆2000億円で買収すると発表した。
積極的な海外展開として、今回のアサヒの買収を好意的に見る向きは多い。
しかしお膝元の国内市場を観察すれば、アサヒが海外展開を加速させるのは「必然」であることがわかる。
1987年に発売した「スーパードライ」のヒットによって、アサヒはビールの販売シェア1位に躍り出た。そして、それから30年以上が経過した今もなお、その地位を築いている。
しかし国内では、シェアこそほぼ横ばいながらも、ビール市場そのものがシュリンクしてしまっている。この25年でマーケットはおよそ4分の1が縮小し、サッポロビール1社分が消えた計算だ。
海外展開を進めるアサヒだが、お膝元の日本で、いかにしてビールの売り上げ、利益を維持していくのか。
国内酒類の事業を手がけるアサヒビールの社長、塩澤賢一氏にインタビューし、今後の戦略を聞いた。

ビール復権の鍵は「若者」

──ビールの消費量は、1994年をピークに年々下がっています。「ビール離れ」とも言われる今の市場を、どう分析していますか。