雨畑川、生コン大量投棄 汚泥現場の上流、山梨県が採石業者聴取
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山梨県の雨畑川に大量のコンクリートが不法投棄されていたという、とんでもない話。
記事タイトルだと生コン(=硬化して固まる前のコンクリート)が投棄されていたようなイメージをもちますが、実際には硬化後のコンクリートのガレキが投棄されていた様子。(ちなみに「残コン」とか呼ばれます)
コンクリートはpH13程度の強アルカリを示します。
これが硬化前の半液体状態=生コンであれば、強アルカリ溶液そのものです。
例えば、生コン作業を素手で1日もしていると、スマホ等の指紋認証が反応しなくなります。
アルカリがタンパク質を溶かすためです。
硬化後のコンクリート自体は化学的に安定しているので、これが河川域に投棄されたからと、たちまち生態系に影響を及ぼすようなことは考えづらいです。
実際、多くの河川構造物にコンクリートが採用されているわけですし。
もちろん、コンクリート中の可溶性物質が水中に流れ込んでしまえば問題になることは考えられます。
以前から汚泥投棄が問題となっていた現場で新たにコンクリートが発見されたとのことですが、投棄時期の判定がポイントになると思います。
生コンクリートは出荷記録の残る工業製品ですので、製造元を特定することはそこまで難しいことではないと思います。
「残コンには大量の砂利がかぶせられ、周囲から見えないようカムフラージュされていた」との記述から、採石業者側はこのコンクリートの存在をどうやら知っていたようですが、事実関係の把握も急がれます。
コンクリートは水の次に多く流通するもので、都市を最も容易に形成し得る技術であると同時に、自然を最も容易に破壊し得る材料。
自然には決して生まれない、人間の営みが100%反映される材料。
だからこういう使われ方は悲しい。
一方、「残コン」や「戻りコン」という、工事で余分に余ってしまったコンクリ―トの廃棄をどうするか、というのも根が深い問題です。
残コンの量はコンクリート流通量の1%程度に相当し、日本では年間100万㎥程発生しています。
これはだいたい、八ッ場ダムのコンクリート量と同じくらい。
捨てられるコンクリートだけでダムが建つのです。
残コン問題については以下などをご参照。
【生コン業界を困らせる「戻りコン」「残コン」の行方とは?】
https://newspicks.com/news/2496272