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ノーベル賞ものの報告ですね!

HIV感染症は1980年代に治療不能な感染症として世界で報告されました。それから人類の挑戦が始まり、世界で最も研究費がかけられた領域の一つとなりました。数年ごとにガイドラインがガラッと変わり、現在では早期発見し、すぐに治療が開始できればnon-HIVの方と同等の予後が得られる様になりました。

この記事にもある様に、HIV感染症の治療は体内のHIVウィルスの増幅を抑制する方法が用いられており、完全除去はまだ実現できていません。

CRISPER-Cas9は遺伝子を編集する技術ですので、CRISPER-Cas9を用いて編集されたゲノムを利用した治療法なのだと思います。LASER-ARTとの組み合わせで完全除去が実現したのはまさにノーベル賞ものの報告でしょう。

C型肝炎の治療や免疫チェックポイント治療で薬価が問題視されていますが、HIVの治療も、生涯で1億円程度必要となるため、価格は高く設定されることが予想されます。

日本のHIV治療ではCD4:500未満が1ヶ月続くことを確認しなければ補助は得られないシステムとなっており、この薬が実現した時に日本ですぐに使えるのかどうか疑問があります。

日本のHIV患者は約3万人に近づいており、もしも薬価格が生涯治療価格の半分の5000万円とすると、1兆5000億円となります。

薬価格のインフレに伴い、日本で先進医療を行うためには、どんな医療にいくらかけるべきなのかを計算していく必要があります。Choosing wisely をベースとした医療改革が必要です。
HIVはRNAを持つウィルスですが、逆転写酵素というものを持ち合わせているのが大きな特徴です。転写というのは、通常DNAの情報の一部をRNAに書き出す作業のことを言いますが、HIVはこの逆で、RNAの情報をDNAに組み込んでしまうことができるのです。

これにより、HIVの持つRNAは人間に感染をすると人間のDNAの中にお邪魔することができてしまいます。

これは、一度HIVへの感染が成立すると、薬を飲んでいてもなかなか潜在的感染症(すなわちウィルスは検出されないレベルにあるが、体内に潜んでいる状態)まで根治させることが難しい大雑把な理由ということになります。

潜在性HIV感染症の根治は、論文というレベルでは現時点で世界的に2例しか報告されていません。

今回報告されている技術は、害のない運び屋ウィルスの殻の中に、HIV治療薬(正確にはプロドラッグ)と、選択的にDNAの一部を切り出すハサミを乗せ、このウィルスを注入して「感染」させるというものです。

この運び屋ウィルスを投与することで、体内でHIVの治療薬を長期間じわじわと効かせ、ウィルスを駆除することが期待できます。また、選択的に遺伝子を切り出すハサミを搭載することによって、HIVによって組み込まれてしまったDNAの「異物」を切り出すことができます。これにより、これまで困難であった潜在性HIV感染症の「根治」ができるのではないかというわけです。

臨床応用はまだだいぶ先、と思いますが、このような技術により潜在性感染症が制御できるようになると、患者さんにはその後に薬を飲まなくても良くなるといった大きなメリットが生じ、大きな助けになる可能性があります。

遺伝子治療が感染症領域で応用される好例です。
こちらが元論文のようです
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31266936

HIVはレトロウイルスといって、ウイルスRNAが逆転写酵素によりDNAに変換され、宿主のDNAに取り込まれるという機構をもっています。つまり細胞に侵入しDNAに入り込んで乗っ取るような形で増殖していきます。

これまでのHIVの治療薬は逆転写の阻害やウイルスの細胞内への侵入の阻害の機序のメインでしたが、今回の研究ではDNAに直接アプローチする方法をとった点が画期的といえると思います。基礎研究の段階であり治療薬に応用されるのはまだまだ先の話だと思いますが、興味深い記事です。
CRISPER-Cas9を感染した細胞のDNAに送り込んでピンポイントでウィルスが感染させたRNA由来の部分だけを切り取るとかめっちゃハイテクやん。これがマウスレベルで実用化したってことは、ほかのレトロウイルス感染症以外にも使えるって話で、生体内マイクロ薬品工場も近い未来に実用化されそう。すげー時代だ。。
かつてサイエンスZEROでもCRISPR/Cas9とゲノム編集をやりましたが、本当にHIVウイルスがを体内から除去できるとは!次が霊長類だそうなので医療現場に降りてくるまで時間がかかりそうですが、追試で効果が確認されれば、画期的な成果ですね。