【独占】人手不足を逆手に取る、これからの「外食ビジネス」論

2019/7/15
人口減少の一途をたどる日本。多くの企業が、人手不足や市場の縮小の対策に四苦八苦している。
その中でも、特に深刻なのは外食産業だ。厚生労働省の調査で「宿泊業,飲食サービス業」の離職率の高さが、ワースト1位になったことにも象徴されるように、人手不足の波をもろに受けている。
そうした中、営業時間の短縮といった働き方改革を断行しながら、さらに売り上げも上昇させたチェーンレストランがある。
ロイヤルホストだ。
なぜ、営業時間を縮小したにもかかわらず、売り上げを伸ばせたのか。
NewsPicksはロイヤルホールディングス会長の菊地唯夫氏にインタビューを敢行。その働き方改革の秘訣を、余すことなく語ってもらった。
菊地唯夫(きくち ただお)ロイヤルホールディングス会長
1965年生まれ。1988年に早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業し、日本債券信用銀行(現在、あおぞら銀行)に入行、銀行が破綻した時に頭取秘書を務めた。2000年ドイツ証券会社に入社。2004年にロイヤルホールディングスに入社し、2010年に社長就任。2016年3月に会長も兼ねる。2019年3月に会長に専任。

「現場力」という言葉の罠

──現在の外食産業に、どのような課題を感じていますか。
外食産業に限らず、サービス業の多くの現場で、スタッフが疲弊しています。
しかし、日本のサービス産業の経営者に「おたくの強みはどこですか?」と尋ねると、「現場力です」と答える方が非常に多い。
もちろん、日本の現場が持つ力は、サービス業にとって大きなアドバンテージになっていますし、私も「現場力」という言葉を使ってきた一人です。
ところが、人手不足などにより、その現場力を発揮しづらくなっている。経営層もその状況に危機感を抱くべきではないでしょうか。
──現場から離れたところにいる大企業などの経営層は、どのように現場の危機を感じ取れば良いのでしょうか。
現場に関する直接の情報源を持っているかどうかが、カギです。