軌道上で巨大3Dプリント宇宙船部品を製作するArchinautがNASAから79億円強の資金調達
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これ、なんのプログラムかと思って調べたのですが、STMDの"Tipping point"というプログラムのようです。
https://www.nasa.gov/directorates/spacetech/solicitations/tipping_points
Tipping pointとは臨界点といった意味。すでにある程度成熟している民間の技術で、まとまった投資があれば「臨界点」を超えて一気に実用に繋がるような技術にNASAが資金を提供するプログラム。毎年、民間企業からプロポーザルを募集し、競争的に選ばれます。
たしかアメリカ企業限定で、「アメリカ企業」の定義は株の51%以上がアメリカ人に保有されている、みたいなのだった気がするが、詳細は覚えていません。
今年のは第一弾選考は終わってしまいましたが、来年応募したい方、参考までにどうぞ:
https://nspires.nasaprs.com/external/solicitations/summary!init.do?solId=%7b27329EE7-1784-56BE-E175-5936B219C8AD%7d&path=open私は大学で「航空宇宙工学」を教えていますが、こういう話が出てくると、「宇宙における製造」として3Dプリンターのことを教えても良さそうですね。(笑)
ちょっと専門的に考えると、真空だと酸化のことを考えなくて済みますが、重力が無いことの難しさ、光が当たっている部分の温度上昇、輻射による放熱など、いろいろ考えなくてはならないことが出てきます。研究対象としてはやりがいがありますね。「真空中」でのテストは終わっているようだが、「無重力」でのテストに触れられていないのが気になる①。
重力下と無重力下だと、3Dプリント条件は勿論、結晶系の材料だと結晶化過程が変化し物性が変化する事がある。そこが要検証事項であり、一方で、新しい物性を生み出すチャンスでもある。材料プロセス開発的には、後者にも期待したい所。
①https://madeinspace.us/archinaut-ground-based-testing