[北京 12日 ロイター] - 6月の中国の鉄鉱石輸入は、主要産出国のブラジルとオーストラリアからの輸入減少で2016年2月以来の低水準となった。

中国税関当局のデータに基づきロイターが算出した6月の鉄鉱石輸入量は7508万トン。前年同月の8324万トン、前月の8375万トンをともに下回った。

税関当局によると、1─6月の輸入は前年比5.9%減の4億9900万トンだった。

ブラジルはダムの決壊、オーストラリアは操業上の問題から鉄鉱石の生産が低迷している。

スチールホームのデータによると、中国の港に貯蔵されている輸入鉄鉱石の在庫は6月末時点で1億1525万トンと2カ月半ぶりの低水準。

CRU(北京)のアナリスト、リチャード・ルー氏は「一部鉱山会社が今後数カ月内に点検・整備を予定しているほか、バーレの生産も目先、急回復は見込めず、鉄鉱石の供給が大幅に回復することはなさそうだ」と述べた。

中国の主要鉄鋼生産都市が大気汚染対策を強化したことから、鉄鉱石需要は減退する可能性がある。マイスチールのデータによると、中国の製鉄所の稼働率は12日時点で66.02%と3月下旬以来の低水準となっている。