【現地発】全米初の大麻完全解禁から5年、コロラドの光と闇

2019/7/12

じわじわと広がる影響

コロラド州デンバーのセレニティー・クリステンセンは14歳だから、まだディスペンサリー(大麻販売薬局)には入れない。
それでもガールスカウトの彼女は、合法大麻にビジネスチャンスを見た。母親と相談し、ガールスカウトの資金集めに販売するクッキーを、今年はディスペンサリーの表で売ることにしたのだ。「すごくよく売れた」と、クリステンセンはうれしそうに言う。
だが同じデンバーでも、反対側の地域に住む高校生のデイヴィッド・ペレスは、近所にいくつもある大麻栽培施設に嫌気がさしている。玄関を出たとたん、スカンクのような強烈な臭いに顔を直撃されるのがたまらないのだ。
全米に先駆けコロラド州が大麻の販売を合法化して5年、その影響はさざなみのように広がっている。
反対派が警告した最悪のシナリオと、大麻業界の能天気な売り文句の両方を裏切る形で、解禁は地域住民の健康、政治、文化、刑事司法を塗り替えた。ますます多くの州が解禁に踏み切るか解禁を検討するなか、コロラド州は合法化がもたらす未来を垣間見させてくれる。
コロラド州デンバー(Lightvision, LLC/Getty Images)