[東京 9日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点とほぼ同水準の108円後半。海外市場で買われた流れを引き継ぎ、一時108.89円と5月31日以来、約1カ月ぶり高値をつけた。

目立った手がかりがない中、ドルが強含みとなる一方、円が売られる流れが続いた。日中に米国金利が小幅低下したにもかかわらず、ドル/円は堅調。「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を前に、持ち高調整の売買が入っているようだ」(都銀)という。

ただ「米雇用統計後はドル買いの流れが続いているが、特に高揚感もなく、米長期金利が低迷する中で109円台に定着するのは目先困難との見方が大勢だ」(国内金融機関)との指摘もあった。

<豪に資本流出懸念、日本勢が撤退>

市場では、前日発表の対外証券投資で国内勢のスペイン債買いが過去最大に膨らんだことが話題となったが、この日も「金利(収入)を求めて日本勢が活発に動いている」(外銀)ことが引き続き関心が集めた。[nL4N2491B4]

そのひとつがオーストラリアで、5月の中長期債投資は差し引き1550億円の売り越しと、年初で売買が細って小幅なプラスとなった1月を除くと、昨年11月から半年以上にわたり売り越しが続いている。

政策金利が過去最低の1.0%まで低下している豪では、10年債利回りも1.3%台と過去最低。金融危機以前は6%台の金利水準で高金利通貨の代表格だった豪ドルだが「大口の買い手だった日本勢の撤退は、通貨安懸念につながりかねない」(別の外銀)との声が出ていた。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 108.76/78 1.1211/15 121.96/00

午前9時現在 108.71/73 1.1214/18 121.92/96

NY午後5時 108.71/74 1.1214/15 121.91/95

(為替マーケットチーム)