【直言】日本は「眠れる獅子」だ

2019/7/10

アジアは欧米イベントの墓場

「日本は、不必要にネガティブ感情にとらわれすぎている」
7月9日、香港で開かれたアジア最大級のテックイベントRISE。アジア中から集まった記者を前に、主催企業Web Summitの創業者パディ・コスグレイブはこう発言した。
欧州、北米、アジアの3カ所で計11万人を集めるテックイベントを運営するWeb Summitが次に狙うのは日本だ。日本からのスピーカー招聘(しょうへい)に加え、日本でのイベント開催も視野に一気にアクセルを踏み入れ始めている。
その背景には、世界中のテクノロジーの現場を歩き回るコスグレイブならではの観察眼がある。アメリカの変調、中国の台頭とともに、日本のテクノロジーの新たな萌芽を見いだすコスグレイブに、その真意を聴いた(インタビュー前編)。
──あなたは、欧州・米国だけでなく、アジアでもイベントを成功させていますが、欧米企業がアジアで成功するのは簡単ではありませんよね。
はい。特に日本には、万里の長城のようなファイアーウォールがあると言われていますね(笑)。
そのファイアーウォールはおそらく意図的なものではないのですが、効果はすさまじいです。アジアは、欧米のカンファレンスにとって「墓場」みたいなものです。