[上海 8日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が発表した6月末時点の外貨準備は、5月末から182億3000万ドル増加し、3兆1190億ドルだった。

エコノミストは20億ドル増の3兆1030億ドルを予想していた。

金準備は5月末の798億3000万ドルから872億7000万ドルに増加した。

中国国家外為管理局(SAFE)は、為替相場と資産価格の変動が増加の要因だと説明した。

SAFEは声明で、複雑な世界経済の状況にもかかわらず、中国経済の底堅さと経済開放が為替市場の安定を支えると指摘した。

米中貿易戦争の休戦に対する期待で人民元の売り圧力が弱まったことを受けて、外貨準備は予想以上に増加した。

人民元は6月に対ドルで0.6%上昇。月間ベースで2月以来初の上昇を記録した。

6月の元は、米中首脳会談に対する期待で上昇。報復関税は撤廃されていないが、最新のロイター調査では、過去2週間で元の売り持ちが50%以上減少している。

こうした市場心理の変化を背景に、中国の株式・債券市場には海外資金が流入。6月末時点の中国国債の外国人保有高は記録的な高水準となった。

米利下げ観測も元の支援材料になっている。

一部のアナリストは、中国経済の減速が続いている兆しがあることから、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始すれば、中国も追随するのではないかとの見方が浮上している。中国人民銀行(中央銀行)はすでに数カ月前から水面下で短期金利を低めに誘導している。

中国の李克強首相は先週、中国経済が下振れ圧力に直面しており、預金準備率の引き下げを適宜活用すると発言した。

*内容を追加しました。

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