「勉強ができない」のには理由がある。子どものやる気を高めるメソッド

2019/7/9

進学率100%の結果にこだわる支援

──貧困の連鎖など社会問題の解決を自分のミッションと感じたとのことですが、その後Learning for All に参加したのですか?
 入ったのは大学3年生を終える頃で、それまではひたすら本を読んでいました。
教育の格差や貧困はなぜ生まれるのか、その連鎖を断ち切ることはできるのか、そもそもなぜ格差の再生産が起きてはいけないのか。
それを防ぐために必要な社会の仕組みの在り方は何かについてなど、勉強の日々でした。
時には大学の友人とディスカッションをしたのですが、貧困に陥るのは、どうせ勉強しなかったからでしょ、と言われることもありましたね。
貧困の自己責任論に対して、きちんと反論できる言葉を持ち合わせたいと感じました。
そんな頃、バイト先の先輩に紹介され、学生や社会人を教育の現場に派遣するTeach For Japan に出合ったのです。
いわゆる意識高い系の人たちの集まりという印象があったので、最初は悩んだのですが、机上の空論で本を読んでいるだけではなく、現場を肌で感じられる取り組みをしようと、Teach For Japan の一事業であったLearning for All の3カ月ボランティアをすることにしました。
李炯植(り・ひょんしぎ)/Learning for All 代表理事
兵庫県尼崎市生まれ。東京大学教育学部卒業。大学在籍時より非常勤職員としてTeach For Japan の一事業であったLearning for All に参画。事業部長として東京・関西の事業部の責任者を務めた後、NPO法人Learning for All を設立。全国子どもの貧困・教育支援団体協議会幹事。
──どのようなボランティアだったのですか?