【予測】中国の顔認識・アリババ・ファーウェイの未来を語ろう

2019/7/7
テクノロジー大国を目指す中国は、これからどこに向かうのか──。
ファーウェイや清華大学MBAを経て、中国で最もホットな「顔認識」の領域に参入した、1人の中国人エンジニアがいる。
王海增(ワン・ハイツェン)。独自の顔認識テクノロジー開発を手掛け、アリババグループのニューリテール店舗でも採用された企業、人人智能(FaceOS)の創業者だ。
なぜ、中国で顔認識がここまで広がりを見せるのか。清華大学はアメリカを超えたのか。そして、BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)の三強が君臨する中国の電脳スペースは、これからどうなるのか。
電脳チャイナの未来を、王CEOが語り尽くす。
AI時代の中国「起業ブーム」
 2015年に、顔認識のツールを作る会社を創業しました。
英ARMから仕入れたチップと独自のアルゴリズムを組み合わせ、それにカメラを取り付けた、とても小さなモジュールを作っています。
例えばそれを、ビルの「入退室管理」やリテール店舗の「会員認識」などに役立てる。あるいはオンラインの「身元確認」。身分証明書と、認識した顔が一致しているかを確認するんです。
専門はコンピュータで、人工知能(AI)から派生したパターン認識を学んでいた時期もあります。中国科学院では、自動化研究所のチーフエンジニアを務めていました。
起業を決意したのは、人工知能が今、非常に大きなチャンスだと感じたから。
おそらく今後10〜30年は、今までとは全く違う時代が訪れます。AIにどっぷり浸かりたくて起業したというわけです。
中国では今、起業が一種のブームなんです。こうした風潮は、政府による大きな方針と相まって、10年〜20年サイクルで訪れます。
この社会現象が、中国では一大起業家を生み出すこともある。
私の場合、単独で規模を大きくできるか、それとも大手に買収されて手放さざるを得なくなるのかはわからない。いずれにしても中国では、さまざまな可能性がある。
それを正しく予測するのは困難です。状況が許せば続けていきたい。未知な状況が好きなんです。それこそが、私を起業に駆り立てました。
「顔認識市場」は、始まったばかりだ
中国において「顔認識」は今、非常にホットな分野です。投資を最も受けているハイテクAI企業は、いずれも顔認識技術によるところが大きい。
この顔認識という技術には、3つの要素がある。
1つ目はアルゴリズムです。2つ目はチップ。そして3つ目が、実質的には顔認識の後に出てくる、データベースや名簿リスト。我々はそれを「データリソース」と呼んでいます。
このうち我々は、アルゴリズムとチップの部分を手掛けています。
チップは外部から購入していますが、自前で回路基板にしている。米アップルが他社製のチップにソフトウェアを組み込んでいるのに近い。
我々の代表的な製品は、顔認識のアルゴリズムをカメラに組み込んだ、「顔認識カメラ」です。
──中国では、メグビーやセンスタイムという顔認識の2大企業が存在します。勝ち筋をどう描いていますか?
今、中国には顔認識企業は非常にたくさんあります。ただ、いずれもまだまだ初期の段階。メグビーを含め、みなスタートしたばかりなのです。
【ドキュメンタリー】中国で広がる、すべてが「顔認識」の世界
これに対して、顔認識の市場規模はまだまだ伸びる。今以上に多くの企業が誕生して参入してきても、市場は十分大きいと考えています。
今、我々が一番注目しているのは、「身元確認」です。これにより、人々の日常生活は一変する。