【新】貧困の連鎖や教育格差をなくす、現代の「寺子屋」

2019/7/8
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第198回(全5回)は、日本の子どもの貧困の解決を目指すLearning for All の代表理事、李炯植氏が登場する。
7人に1人の子どもが貧困状態にある──。これが日本の話だと言われたら、耳を疑ってしまう人も多いのではないだろうか。
日本は豊かな国として認知されている。しかし、社会の側面に注目すると、実際には17歳以下の子どもたちのうち7人に1人が、貧困線以下の所得で暮らしている。
日本の子どもの貧困率は、OECD諸国の平均より高く、約280万人にも上る。
具体的には、例えばひとり親世帯の場合、月約14万円以下で暮らしている子どもたちがいる。
最低限の住まいや食を満たすことができたとしても、子どもの教育や将来への投資をすることは不可能に近い。
家庭環境などによって、子どもたちが必要とする学習環境が与えられない問題は、日本の経済にも影響を与える。
貧困状態にある子どもたちがそのまま放置され、十分な学習機会を得られずにいると、将来の国の税収や社会保険料収入が減少するだけではなく、生活保護や失業給付などの支出が増えることになり、その経済損失は約43兆円に上るとの試算もある。
この現状を打破しようと、貧困問題の解決を目標とする包括的な仕組みを作り上げようとしているのが、李氏だ。
貧困問題の解決を目指す仕組みとは果たしてどのようなものなのか。李氏の挑戦に迫った。
目の前の子どもの夢を大切に
──まず、Learning for All の活動について教えてください。