【実録】屈辱から生まれた、中国1.2億人が使う「英会話アプリ」

2019/7/5
英語力がなかなか伸びない。
そんな思いをしているのは日本人だけではない、それは中国人も同じだ。しかし、その中国人が裏技的に使っている英語上達アプリがあるのをご存じだろうか。
それが「Liulishuo(リウリーシュオ)」だ。
英語をマスターしようとする中国の学生や社会人が必ずと言っていいほど使っており、ユーザー数はなんと1億2300万人を超えている。
最大の特徴は、いつでも、どこでも個人レベルに合った英語学習ができること。
特に「スピーキング力」が向上するようにプログラムが開発されていて、発音がどれだけネイティブ英語に近いのかがスコアですぐにはじき出される。
このアプリを生んだのが「LAIX(ライックス)」。
中国のトップ1%の頭脳しか入れないとされる清華大学と上海交通大学の卒業生たちが立ち上げた企業だ。
そこには中国から北米トップ大学で学んだ、彼らの体験と失敗が詰まっていた。
LAIX共同創業者たち(左:胡哲人、中央:王翌、右:林晖)

砕かれた自信

2005年9月1日。清華大学でコンピュータサイエンスを学んだ王翌(ワン・イ)は、プリンストン大学で博士号を取るため、期待に胸膨らませニューヨークの空港に降り立った。
空港近くのマクドナルドで腹ごしらえをしようと、いくつかの商品を注文したのだが、衝撃的な事実に直面した。レジで英語が全く通じなかったのだ。
「わかりました、このセットメニューの2番をください」