[カラカス 2日 ロイター] - ベネズエラのマドゥロ大統領は2日、政治危機を打開するため野党と協議する意思があると表明した。

この数時間前、暫定大統領就任を宣言した野党指導者のグアイド国会議長が、「独裁者」との交渉に良い時期は「決して」ないと発言している。

与野党は5月、ノルウェー政府の仲介によりオスロに代表を送って協議を行ったが、合意には達しなかった。先月29日、消息筋がロイターに対し、協議が今週再開されると明かしている。

しかしグアイド議長は2日、国会で記者団に「新たな対話にわれわれが加わると公式に表明してはいない」と発言。「誘拐犯、人権侵害者、独裁者との仲介に適した時期は決して存在しないだろう」と述べた。

野党勢力は先週、マドゥロ政権に拘束されていた海軍将校の死を巡って憤りを表明。グアイド議長の発言はこうした事態を受けたものとみられている。死亡したラファエル・アコスタ将校については、妻と人権団体などが、マドゥロ政権が拷問を行い、死因などの詳細公表を拒否していると非難している。

マドゥロ大統領は2日夜に国営テレビに出演。その際、アコスタ将校の死には言及せず、政府は「ノルウェーでの対話」に取り組んでおり、「今後数週間以内に連絡や交渉、合意の前段階の過程がどれほど順調に進展しているかについて、良い知らせがあるだろう」と述べた。