[ヘルシンキ 1日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は1日、ECBにはインフレ促進に向けてあらゆる政策手段を調整する用意があるとした上で、政策に影響を及ぼす可能性のあるさまざまな課題を精査することも必要との認識を示した。

経済成長とインフレ率がともに鈍化する中、ECBは追加刺激策が必要になる可能性に言及しており、市場ではすでに過去最低水準への利下げが織り込まれている。また、アナリストの間では資産買い入れプログラムの再開を見込む向きもいる。

レーン総裁は、ヘルシンキでの会議で「インフレ率が持続的にECBの目標に向かうよう、理事会は必要に応じてあらゆる政策手段を調整する用意がある」と語った。

インフレ率は短期的にECBの目標から上下双方向に変動する可能性があるとも述べ、過度に低いインフレ率が続いた後に目標を上回るインフレを容認する可能性があるとしたドラギECB総裁の最近の発言に同調する考えを示した。

レーン総裁はまた「ECBは他の中銀と同様に、人口の高齢化や長期金利の低下、気候変動といった長期的なトレンドが主要な政策課題となっている新しい環境の中で運営している」と指摘。「これらが成長や雇用、インフレに及ぼす影響について理解を深め、より効果的に責務を果たせるようにすることが必要だ」と述べた。

政策を取り巻く環境は前回の精査以降かなり変化しており、政策当局者が非伝統的な手段に依存する中、ECBの政策ツールも大きく異なってきていると指摘した。

レーン総裁は、ドラギECB総裁の後任候補と目されている。

*内容を追加しました。