アップル、Mac Pro製造拠点を米国から中国に移転=新聞
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政治がどう動こうが、結局はアップルのようなグローバル製造業の動向が世界各国のGDPの趨勢を決めるということでしょう。
この動きは、アップルの事業ポートフォリオ戦略の一環。
理由としては、以下が考えられます。
・米中摩擦は、早晩終結に向かうという読み
・この時期の逆張りは、中国側に高く評価されるはずという将来への布石
・米国内での生産に問題が多すぎることを暴露したい。だから全体の10%に満たない製品で敢えて冒険をしてみる
いろんな見方が出てくると思いますが、あまり深く詮索するほどの決定だとは思えません。WWDC19で発表され、秋に出荷されるMacの最上位モデル、Mac Pro。WWDC19のブリーフィングで質問した際、「Mac ProはMade In USAではない」という回答を得ました。また100%リサイクルアルミニウムでもなく、5割程度に留まるそうです。
2013年に発表された前モデルは米国内での組み立てを行うという意味で米国製をうたっていました。しかしその方針を撤回し、中国での製造に戻したため、トランプ政権の製造業の米国回帰という政策には逆行する形となり、この問題が取り沙汰されれば、Appleへの風当たりが強くなる可能性があります。
確かに昨今の米中貿易問題を考えると、むしろ中国への製造拠点の移転は、関税を考えればリスクとなります。そもそもAppleがこの問題に対して楽観的すぎることが意志決定に反映されているとも言えます。
それでも中国へ移したと言うことは、やはり2013年モデルのMac Proで米国製造に取り組んでみて、いくら台数が少ないプロ向けコンピュータであっても「米国での製造は現実的ではない」という判断を下した、やってみてやっぱりダメだった、ということでしょう。
これではiPhone製造が米国に移されることなど夢物語。そうした現実を、米国やトランプ政権は「重大なこと」と受け止めるべきでしょう。