【賛否】給料カットに自動解雇。職場を揺さぶる「AI査定」

2019/6/27

AIからの「叱咤激励」

生保大手メットライフのコールセンターで働くコナー・スプロールズは、コンピューター画面の右下の隅を横目で見ながらカスタマーと話をする。小さな青いウインドーに、AI(人工知能)の指示が出るからだ。
早口になっていたら、速度計のアイコンがぴかっと光る。もっとゆっくり話しましょう、というメッセージだ。
眠たそうな声で話していたら、「もっと元気に」と、コーヒーのアイコンが現れる。
口調がよそよそしいときは、ハートのマークが「もっと親身に」と促す。
とびきり生産性の高いロボットの大群がオフィスや工場に押し寄せ、人間の仕事を奪うのではないか……過去数十年間、人々はそんな未来におびえてきた。だが上司までAIに代わるとは、さすがに想像が及ばなかったかもしれない。
ロードアイランド州ワーウィックにあるメットライフのコールセンターには、今も人間の管理職が大勢いるが、コギト社(ボストン)が開発したソフトウエアが、いわばそのアシスタントとして、モニターの隅から四六時中スタッフに目を光らせている。
カスタマーサービスの電話応対が1件終わるたびにAIが出した指示は可視化され、上司がチェックできるようにダッシュボードに表示される。指示が出るウインドーを最小化して見えなくしたりすれば、それもAIが上司に報告する。
(Tony Luong/The New York Times)

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