米、イラン最高指導者に制裁 無人機撃墜など受け報復か
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イランの最高指導者、アリー・ハメネイ氏と彼に所属する機関を対象とした制裁です。国権の最高機関である最高指導者が対象ということで、象徴的意味も大きいですが、実質的に彼の傘下にある財団や企業、学校などの資産は膨大なものです。
たとえば、ロイターの記事ですが、そういた財団の一つ、「イマーム・ホメイニー師の指令実行のための司令部」(Setad)の資産は950億ドルと見積もられています。
https://www.reuters.com/investigates/iran/#article/part1
法的に、これらの機関がハメネイ氏を代表者としているとはいえないものが多いですが、代理人や家族などが名を連ねているものも多くあります。
米国の制裁は、米国内の資産を凍結したり、銀行での決済を禁止するものです。ハメネイ氏傘下の機関は、宣教や教育の目的で、国外で活動していたり資産を持っているところも多いので、それなりの打撃にはなるでしょう。とはいえ、やはり最高指導者への制裁ということで、まず象徴的なメッセージであり、イラン側には侮辱的な措置とうけとられるでしょう。日本で言えば、歴史の重さは違うものの、天皇陛下に制裁をかけられるようなものである。米国は北朝鮮の金正恩にさえ、ダイレクトで制裁を掛けていない。ハメネイ師を対象にするという侮辱的な意味合いは強い。しかし誇り高きイラン人はもとより、イスラム教シーア派全体の怒りに火を付けるため、イラン以外からも暴発を招くリスクは相応にあるだろう。非常に危険だ。
ハメネイ師にあれだけ虚仮にされていたので、トランプ大統領は何かやるだろうなと思っていたが、やはり新たな制裁を命じてきた。米中貿易摩擦に加え、中東情勢。日本企業にも多大な影響を及ぼしかねない地政学リスクとして要注視