【転換】2020年の米大統領候補が問われる「父親の資質」

2019/6/25

公務より家族のイベントを優先

カリフォルニア州選出のエリック・スウォルウェル下院議員は、空港のどこで母親が子どもに授乳すればいいか、すぐに場所を挙げることができる。
元住宅都市開発長官フリアン・カストロは子どもの幼稚園の卒園イベントのために、大統領選の選挙遊説を中断した。モンタナ州のスティーブ・ブルロック知事は17歳の娘が飛び級の試験を受ける時期と重なったため、大統領選出馬の発表を延期した。
これぞ米大統領選挙における「21世紀の父親」像だ。
これまでずっと、公職選挙に立候補する子育て中の女性は不信の目で見られてきた。有権者は「誰が子どもたちの面倒を見ているのか」を知りたがった。
アメリカの家族像が変化するにつれ、幼い子どもがいる男性候補も少しずつ、同様の不信に立ち向かわざるを得なくなっている。おかげで父親たちは、公人としての職務と子育てを両立するにはどうすればいいのか知恵を絞るようになった。もちろん、女性であれば何十年も前からやっていることだ。
2020年の大統領選挙にはすでに15人の「父親」が立候補しているが、その何人かは、毎日の子育ての細かい話をふくめた父親業について語りたがっている。母親の候補者にとってはごく普通の生活の一部にすぎないのだが。
フリアン・カストロとその家族(Tamir Kalifa/The New York Times)

期待される「父親像」の変化