有価証券報告書「総会前の開示が理想」 IFIAR事務局長
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注目のコメント
日本経済新聞による監査監督機関国際フォーラム(IFIAR)事務局長への取材記事・・
「有価証券報告書(有報)」の総会前の開示が「理想」か「理想でない」かで言うと、私はもちろん「理想」だと思います。
本日財務局に有報を提出したタカラトミーを例にとると、「有報」は135ページ、「事業報告等」は40ページ。そりゃあ、情報量の多い「有報」が総会前に開示された方が良いですよね。
しかし、近年日本では、どちらを先に出すか?ではなく、金商法に基づく「有報」と会社法に基づく「事業報告等」を一体化することで、より効果的かつ効率的な開示を実現できないか?という視点で議論が進められています。
そういった検討が行われていることを是非取材の中で伝えてもらいたかったなぁと思います。日本もいろいろ考えてるんだぞ、と。(亀さんペースですが・・)
事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組の支援について(日本経済再生本部)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/shien_hontai.pdf総会資料には、計算書類の監査報告書が添付されている。
投資家にとって、計算書類では不十分で、有報が不可欠な理由を何だ?
会社法の計算書類体系と金商法の財務諸表体系との異同の説明は難しい。税法の税務会計が加わると、確定決算主義の採用から、決算が税法上の基準に影響を受ける現象(税務会計の逆基準性)が生じ、壮大な迷路に迷い込む。
かつて、商法は財産目録の作成等の棚卸法を採用し、証取法は企業会計原則から損益法を採用し、会計基準が違っていた。そこで、商法改正によって、斟酌規定(公正な会計慣行を斟酌する)が定められ、商法と証取法の一致が図られ、会社法はそれを引き継ぎ、会社計算規則がこの点を明確にした。
このあたりの難しさを知らずに、表面的な開示の理想論を言われても困る。
連邦会社法がまだできず、資本市場法制で代用しているアメリカの人に言われたくない。アメリカ合衆国が、EUのような国(邦)の集合体であるとしてもだ。>「株主にとっては、有価証券報告書を含む全ての開示書類が総会前に開示されることが理想だ。日本では多くの企業が総会後に監査報告書を提出するため、総会時点で監査済みの財務諸表を利用できていない」
金商法としての財務諸表への監査報告は確かにその通りだが、会社法計算書類に関する監査報告書は招集通知にあるので、上記コメントはちょっと正しくない。
ましてや、株主総会は会社法に則った機関であり、金商法のためのものではないのだし。
まぁ、そうはいっても総会後に有報や内部統制報告書を開示することが正しいとは思いませんけどね。