[ブリュッセル 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)首脳会議は、ユンケル欧州委員長の後任など5つの重要ポストの人選を巡り合意を目指し、30日に再び首脳会議を開く。20日から21日未明にかけて協議したものの、合意に至らなかった。

ユンケル欧州委員長の後任人事では、ドイツのメルケル首相は中道右派・欧州人民党(EPP)所属の独議員マンフレッド・ウェーバー氏を推しているが、フランスのマクロン大統領は同氏は政府での経験が不十分だとして反対している。

トゥスクEU大統領は記者会見で「過半数の支持を集めた候補はいなかった」とし、6月30日に再び首脳会議を開くと述べた。

欧州委員長のほか、欧州中央銀行(ECB)総裁などの重要ポストが年内に任期満了となる。

欧州委員長の後任は各国首脳の過半数か、なるべくなら全員の支持を得る必要があるほか、7月2日に初招集される欧州議会で承認される必要がある。EU首脳は議会初招集の前に要職の候補を示したい考え。

EPPは改選後の欧州議会で最大会派ではあるものの、議会は団結してウェーバー氏を支持することは拒否している。複数の外交官は、これはメルケル首相がウェーバー氏の支持を撤回する十分な根拠になるとの見方を示した。

あるEUの外交官は「議会は以前よりも分裂している」とし、EPPの指導者もウェーバー氏を支持していないと指摘。「ドイツ出身のウェーバー氏が選ばれなければ、フランス出身者もこのポストには就けない。しっぺ返しをされるからだ」と述べた。

ECBの次期総裁候補を巡っては、ドイツ連銀のワイトマン総裁とビルロワドガロー・フランス銀行(中央銀行)総裁が有力視されている。

アイルランドのバラッカー首相は難航している人選について「これらの主要ポストを埋めるよりも、ローマ法王を頻繁に選ぶ方が話が早い」と皮肉った。

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