【独自】こんまりも推薦。「ikigai」を世界共通語にした男

2019/6/23
Wabi-Sabi、samurai、tsunami、kawaii、karaokeなどの日本語は、そのまま英語や他の外国語でも使えるようになっている。
そうした世界共通語としての日本語の中に今、「ikigai(生き甲斐)」が入ろうとしている。
試しに、Amazon.comで「ikigai」と検索してほしい。すると、たくさんの“ikigai本”が現れる。インスタグラムで検索すると、“ikigai本”と共にマインドフルネスな生活をアピールする写真が出てくる。
この世界的な「ikigaiブーム」の火付け役となったのが、日本在住でスペイン人のエクトル・ガルシアさんだ。彼が書いた書籍『Ikigai』は世界で75万部を突破するベストセラーとなり、欧米の有名メディアがこぞって書評に取り上げる一方で、「こんまり」こと近藤麻理恵さんも、自身のニュースレターで『Ikigai』を紹介した。
「ikigaiブーム」を作った張本人が、NewsPicks編集部に舞台裏を語ってくれた。
Héctor García(エクトル・ガルシア)ブロガー、作家。1981年、スペイン・バレンシア生まれ。2004年に来日し、ブログ「www.kirainet.com」を開始。2008年、スペインのブログ運営大手ビタコラスの「ベストブログ賞」(旅行部門)を受賞。2008年2月、スペイン語で『Un geek en Japón』(日本に住むオタク)を出版し、2011年6月に英語版『A geek in Japan』を出版。来日当初から2017年まで、ITエンジニアとして東証1部上場のIT企業に勤務。スペイン有力紙『エル・パイス』で日曜版コラムニストも務めた。現在は、都内の外資系企業で働きながら、作家活動を進め、専業作家を目指す。妻は日本人。(撮影:加藤昌人)

英米で30万部超の衝撃

──ガルシアさんが書いた「Ikigai」の本が世界中で売れているそうですね。
ガルシア 正直、ここまで売れるとは全く思っていませんでした(笑)。
この本を最初に出版したのはスペイン語で、スペインの出版社から2016年4月に出しました。その後、2017年9月に、世界的な出版社であるロンドンのペンギンブックスから英語版『Ikigai - The Japanese secret to a long and happy life』が出て、一気に火がつきました。