アルファベット、13の株主提案をすべて否決 株主総会
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Alphabetは創業者が議決権の過半を握っていること含めて、3種類の種類株がある。上場しているClass AとClass C(議決権なし)、そして上場していないが創業者が保有してClass Aの10倍の議決権を持つClass B。なので、そもそも創業者中心に反対があると、株主提案が通らない構造になっている。そういう意味では、否決されることは当然の結論として事前にわかっていること。
ただ、だからこそこの種類株を用いたガバナンス構造への問題意識が強まっている。元々株式市場の短期重視の議決権行使への対策として導入され、結果も出してきた中で特にIT企業で多く導入されてきたが、結果を出せていないSnapやガバナンス課題があったUberでも問題となった。
下記などでコメントしたが、投資家もそれをわかっているうえで投資したという意味では後出しじゃんけんと思う部分もあるが、本質的に資本市場の機能を低下させている状況でもあるとも思っている。
https://newspicks.com/news/3959140再三コメントしていますが、米国資本市場が許容している種類株上場による議決権格差が根本的な問題です。
また今回の株主提案は中国検閲、職場環境などエモーショナルな内容が多いようであり、社員、社会、株主ら全体と巨人プラットフォーマーの対立構造が通底しています。
よってAmazonの総会においてもそうであったように、このトレンドは今後ともずっと続いていくでしょう。
その度に種類株ストラクチャによりマジョリティやスーパーマジョリティを持つ創業経営者は淡々と否決していき、それにより人々のフラストレーションが更に増すという悪循環が続くでしょう。
株主側の対抗策としては唯一、総会では勝てないが法定で戦うという手段はあります。現にFacebookではザッカーバーグのさらなる議決権増強策を株主が法定に持ち込み和解を勝ち取り阻止に成功しています。
本来は市場当局者がガバナンス上の観点で是正方向に持っていくべきところ、最もワイルドでリベラルな資本主義の米国では、国際的な市場間競争、特に中国とのそれを優先して、当面は変える見込みはないでしょう。え?出ないってありなの?
『総会にはグーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)らが出席した。創業者でアルファベットCEOのラリー・ペイジ氏やセルゲイ・ブリン氏は姿を見せなかった。』