[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べドル安/円高の108円前半。市場は、日本時間の明日午前に判明する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を固唾(かたず)をのんで見守っている。今回のFOMCではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が2.25―2.50%に据え置かれるとの見方が大勢だが、声明文やドットチャートでハト派度合いが弱過ぎても、強過ぎても金融市場は過敏に反応すると予想される。

ドルは朝方の取引で108.61円付近まで上昇したが、FOMCを控えた東京市場の参加者はドル買いには慎重で、「米中首脳会談をはやした昨日のドル買いは行き過ぎだった」(FX会社)との声も聞かれ、午後はドルロングの巻き戻しが目立った。

明日のFOMCでは、5月に米雇用の伸びが低調だったことや、中国との貿易摩擦が収束していないことを踏まえ、ハト派的な見解が示されるとみられている。

「前回3月のFOMCメンバーの金利見通しでは、2019年の政策変更は据え置きだった。今回、方向転換し過ぎれば、FRBが読みを間違えた、政治の圧力に屈したなど、FRBの信用低下につながりかねない」(外為アナリスト)という。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が再利下げに前向きな姿勢を示し、トランプ大統領が執拗にFRBに対して緩和要求するなど「パウエル議長下のFRBは今回、過去最大の試練に直面するだろう」(同)とみられている。

金融市場では米国の早期利下げに対する織り込みが進んでいる。

米10年国債利回りは2.075%付近。前日一時2.016%まで低下し、2017年9月以来の低水準となった。

ユーロは1.11ドル後半を中心とする値動きだった。

ドラギ総裁の発言を受け、ユーロ圏の長期金利が大幅に低下し、ユーロも1.1181ドルと約2週間ぶりの安値まで下落した。

ドラギ総裁はECBの年次会議で、物価の伸びが低迷し、目標を達成できない状況が続いた場合、ECBは利下げや資産買い入れなどの金融緩和を再度行うと述べた。

「欧州の景気が米国に先んじて減速したことから、金融緩和面で(米国は)ドラギ総裁に常に先手を打たれているという印象だ。トランプ大統領はFRBの様子見姿勢をもどかしく思っているだろう」(金融機関)との指摘があった。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 108.33/35 1.1190/94 121.25/29

午前9時現在 108.57/59 1.1196/00 121.57/61

NY午後5時 108.44/47 1.1191/95 121.38/42

(為替マーケットチーム)