ファイザーがアレイを106億ドルで買収へ、がん治療薬を拡充
コメント
注目のコメント
ファイザーはすでにがん領域の薬剤を幅広く取り揃えていますが、悪性黒色腫に対する新規薬剤は持ち合わせていません。(正確には、チェックポイント阻害剤がありますが、保険適用がありません。)
悪性黒色腫は日本国内に患者が非常に少ないため話題となりにくいですが、この悪性黒色腫は、ここ5年で最も治療の様変わりしたがんです。
過去の研究では、寿命が1ヶ月延長することに成功しました、というような報告で拍手を送るような治療のとても難しいがんでした。しかし、今ではとても有名な、チェックポイント阻害剤の登場がこの世界を一変しました。数ヶ月の話をしていたがんの世界に、「5年生存率は何%です」と数年、数十年単位の寿命を保証するような報告を次々ともたらしました。チェックポイント阻害剤の恩恵を最も受けたがんと言っていいでしょう。
アレイの持つ分子標的薬は、その薬の働き方がチェックポイント阻害剤とは大きく異なりますが、特定の遺伝子異常を持つ患者にはそれと同じぐらい有効性を発揮できる薬剤です。また、チェックポイント阻害剤に比べて副作用もマイルドであり、飲み薬である点なども患者さんの負担という意味で有用な薬剤です。まさに個別化医療時代の申し子のような薬なのです。
ファイザーはこのアレイの買収により、悪性黒色腫の世界での薬剤開発に着手し始めるでしょう。また、アレイの薬剤とファイザーの持つチェックポイント阻害剤の混合治療やその適用拡大、アレイの薬剤の異なるがん種への適用拡大などがよりダイナミックに行われることにつながると推測します。正直、ファイザーのMAにはまたかという感想しか出ません。
今から30年前は製薬の世界ランキングTOP10にぎりぎり入るかという規模だったファイザーが世界1位を争えるようになったのは全て合併によるもの。
有力な製品群を持つ会社を丸ごと買うというスタイルは通称「ファイザーモデル」ともいわれています。
この間、ファイザー自身の研究開発能力は凋落しています。
確かに今は開発リスクが高くなっているため、ベンチャーを標的に同様のやり方をするのは製薬業界では珍しくありません。しかし、ファイザーはその中でも特異的。自社創薬力とのバランスが著しく崩れているというのが個人的な評価です。金額がでかすぎてゼロの数がわからない、、、
良い薬があれば儲かる、という業態だから薬への投資は額が上がる。
一方で、医療費は少なくとも上がるので、各国の保険が抑制側に回るのも世界的な潮流だろうな。
※日本はそうなんだけど、他の先進諸国もそうなのかな??
んで、バリュエーションは上がらない一方で、良い薬は限られてきて買いたいプレイヤーまぁ多いままだから、価格は高止まりするとかそんな感じか