[ベルリン 17日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は、利下げが最善の選択肢と判断すれば、マイナス金利が銀行に及ぼす影響や中銀預金金利の階層化が必要か、検討する必要が出てくると指摘した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで述べた。

中銀預金金利の階層化は、市中銀行がECBに資金を預ける際の金利コストを軽減する措置として浮上している。

クーレ専務理事は「階層システムが必要か検討しなければならなくなる」と述べ、現在のところ理事会では慎重論が大勢だが検討には値するとの認識で一致していると語った。

クーレ氏は、ECBはガイダンスの変更、利下げ、量的緩和の再開などの手段を利用できるとした上で、問題はどの手段、あるいはどの組み合わせが最も適切かということだと指摘。「これに関する協議は(6月のECB理事会が開かれた)ビリニュスで始まったばかりだ。協議を進め、直面しているリスクの本質を反映させる必要がある」と述べた。

長期にわたる低金利は、最終的に金融安定にリスクをもたらす可能性があると警告した。

ECBは今月、フォワードガイダンスを変更し、今後1年の利上げの可能性を除外した。

市場が利上げはさらに先送りされると見込む中、こうしたガイダンスは既に古いのではないかとの質問を受けると、クーレ氏は「ガイダンスは将来的な経済の動向に関する理事会の見解をフィルターにかける方法であり、市場の期待と一致する必要はない」と述べた。

また、ユーロ圏経済はそれほど悪くないとし、サービス・建設セクターは底堅いと指摘した。

「2%を下回るが2%に近い水準」というインフレ目標をECBが見直す必要があるかとの質問に対しては、もっと緊急に対応を要する問題があるとした上で、ある時点でインフレ目標を見直すとの考えを示した。

*内容を追加しました。