[ダブリン 15日 ロイター] - アイルランドのバラッカー首相は15日、英国の欧州連合(EU)離脱協定案に盛り込まれたアイルランド国境へのハードボーダー(物理的な国境)設置回避を保証する「バックストップ(安全策)」条項について、撤回は認めないと述べた。英国が合意のないままEUを離脱することと同じくらい大きな脅威となると指摘した。

バラッカー首相はRTEラジオに対し、英与党党首選の有力候補が合意なき離脱の可能性をちらつかせていることは「警戒すべき」だとした上で、EUが「バックストップ」の撤回を認めることはないとアイルランドは確信していると述べた。

英与党党首選の有力候補らは、同条項の変更または撤回を呼び掛けており、妥協がなければ合意のないままEUを離脱する用意があるとしている。

バラッカー首相は「『バックストップ』がなければ実質的に合意なき離脱と同じだ。『バックストップ』は二度とハードボーダーが出現することはないという法的な保証だからだ」と述べた。

また、EUの単一市場を保護しつつ北アイルランドとの開かれた国境を認める代替案の可能性について、アイルランドは引き続きオープンだと述べた。しかし、まず必要とされる技術が効果的に機能することが実証されることが条件だとした。

バラッカー首相は、メイ英首相の後任と会談することを楽しみにしているとしたが、次期首相はより良い離脱案が得られると期待すべきでないとの考えを示した。