[16日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックス<GS.N>は16日、世界的な貿易摩擦を受けた米景気減速に備え、米連邦準備理事会(FRB)が「保険」として利下げを実施する可能性に懐疑的な見方を示した。

5月以降に米中の貿易摩擦が激化していることやインフレが抑制されていることからトレーダーの間ではFRBが年末までに0.75%ポイントの利下げを実施するとの見方が高まっている。

ゴールドマンのエコノミストは16日公表したリサーチノートで「しかしながら、われわれはそのような利下げへのハードルは一般に予想される以上に高いとみられる」と指摘した。

多数のプライマリーディーラー(米公認政府証券ディーラー)はFRBが今夏から利下げを開始すると予想している。

一方、ゴールドマンと他の数社のプライマリーディーラーは企業活動や消費者動向が大幅に悪化しない限り利下げはないとみる。

ゴールドマンのエコノミストは、FRBによる予防的緩和の最近の例として一部のアナリストが指摘する1995─96年と1998年の利下げについて、「少なくとも保険的な動機と同じくらい、目に見える悪化に基づいた」データへの対応だったと指摘した。

また、過度に急いで保険的な利下げを実施すれば、経済が底堅く推移した場合に金利が低過ぎる事態を招くと警告した。